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気になる健康情報【旬の食べ物:7月〜スイカ】


 梅雨がなかなか明けず夏の到来を待つ今日このごろ。汗ばむ暑さのなかで、冷えたスイカにかぶりつきたい衝動にかられます。

 スイカの原産地はアフリカ南部のカラハリ砂漠といわれ、日本には安土桃山時代に渡ってきました。明治時代になると欧米からさまざまな品種が入って、一般に普及したといわれています。

【スイカの栄養】

  スイカの果肉の約95%は水分で、このうち4〜6%が糖分です。水分が多いので栄養価が低いように思われますが、そうでもありません。ビタミンは、A (β-カロチン) 、B1、B2、Cの他、カルシウム、リン、鉄、カリウム等のミネラル類、グルタミン酸やアルギニンなど、多くの成分をバランスよく含んでいます。

 スイカに含まれる果糖やブドウ糖は、他の糖質に比べエネルギーに変わるのが速いので、夏バテなど夏の暑さで疲れた身体を癒すにはスイカを食べると即効性があります。

 栄養素のなかで注目されるのが、カリウムの豊富さ。カリウムは、利尿作用が高く、体内の余分な塩分(ナトリウム)を腎臓から尿中へ排出し、体外に排泄する働きがあります。そのため、腎炎や膀胱炎、高血圧に効果があるといわれています。また、特殊成分として尿成分を作るのに関わるシトルリンというアミノ酸が含まれていて、これが利尿効果を高め、むくみをとると考えられています。

 ビタミンCも比較的豊富で、スイカ8分の1個(750g)のビタミンC含有量は、27mg(レモン果汁1.5個分相当)もあります。このほか、増えすぎると老化やがんなどの病気になりやすくなる活性酸素を抑制する「リコピン」も含まれています。

 ただし体を冷やす作用があるので、冷え性の人や下痢の場合は控えたほうがよいでしょう。

 中国の明代の李時珍が著した「本草綱目」にはスイカの薬効が記されています。それによると、利尿作用、酒毒の予防、口角炎や舌炎・風邪などによるのどの痛みの緩和、腰痛などに効くとあります。

 スイカの絞り汁を煮詰めて作る「スイカ糖」は、むくみ防止や風邪などののどの痛みの緩和、痰がからむときにもよいとされ、昔から民間療法として利用されてきました。

 スイカの種子にはリノール酸やタンパク質が多く、ビタミンB群やEが豊富に含まれており、漢方では強壮、止血、のどの痛みなどに効果のある薬として用いられています。また、皮には、漢方の薬の材料で、コレステロールを減少させ、血管を拡張させたりする効果があるといわれています。

 このように昔からスイカは健康によい夏の果物と認められてきました。果肉を食べると皮や種は捨ててしまいますが、スイカは丸ごと薬効があるわけですから上手に利用したいものです。


【上手なスイカの選び方】

  最近は半分や4分の1に切ってあるのを買う場合が多いですが、丸ごと買う場合には切ってみないとわかりません。音や色などでの見分け方について紹介します。

<音>:いくつか叩いて音を比べてみましょう。
・「ポンポン」と響く音 → 食べ頃の美味しいスイカです!
・「ボテボテ」と鈍い音 → 熟れ過ぎ、もしくはスイカの中がたな落ちして、
              空洞ができている可能性あり。
・「ビンビン」と高い音 → 若すぎるスイカ。まだ甘みが少ない。

<色>:縞の黒い部分が濃く、はっきりしているものがよい。

<ヘタ>ヘタの周りが盛り上がり、ヘタがへこんだ状態のものを。

<お尻>ヘタとは反対側のお尻(花落ち)の部分が小さいものを。

 スイカの甘さとシャリ感を味わうのに冷やし過ぎはよくありません。おいし い食べ方としては、15℃前後を目安にしましょう。また、黒い縞部分はいわば スイカの血管で、ここに種が並んでいることが多く、切り口に種が出ないよう にするには縞部分を避けて切るとよいでしょう。

---2003.7.27 (c) Mica Okamoto---


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