[No.004:元気の元 ニンニク]
「明日は大事な試合という時、ちょっと元気がない時、ストレスや疲れを感じた時、あなたは何を食べますか?」という質問をすると、多くの人がニンニクのたっぷり入った料理を食べると答えるそうです。元気を出したい時に自然に食べたくなるニンニク。今回はニンニクパワーについて考えてみましょう。
■ニンニクとは?
ユリ科ネギ属で、中国から平安時代以前に日本に渡ってきた野菜。ニンニクという言葉の由来は、その昔、仏教で禁じられていたにもかかわらず忍んで食べていたため忍辱(ニンジョク)と呼ばれていて、これがニンニクに変わったといわれています。茎の部分は、皆さんよくご存知ニンニクの芽。薬味や香りづけに用いるいわゆるニンニクは、根の部分です。
■ニンニクの有効成分
カルシウム、たんぱく質、カリウム、ビタミンB群、ビタミンC、アリインなど、有効成分をたくさん含みます。
とくに注目したいのは、アリインという成分です。アリインとは、アミノ酸の一種で、ニンニクの臭気成分のこと。切ったり、すりおろしたりなど調理することによってアリシンという成分に変化し、これが元気の元となります。ニンニクに含まれる栄養素のうちで最も有効な成分です。
■ニンニクの主な効用
アリシンが、ビタミンB1の吸収をよくし活性を持続させます。その結果、新陳代謝を活発にし、疲労の回復を促して、やる気や元気が出てきます。また、血液の必要以上の凝固や血栓生成を防ぎ、動脈硬化、心臓病、脳梗塞などを予防する働きもあります。
その他、強精作用、殺菌作用、鎮静作用、保温作用、食欲増進作用などもあり、健康維持には欠かせない食材です。
■ニンニクの効果的な食べ方
油と一緒に料理するとアリシンが揮発しないため、有効成分を十分有効に活用できます。また、加熱によって香りが増すため、食欲が増し、消化吸収もよくなります。このため、食欲がない時には、とくにおすすめです。
ただし、食べ過ぎはよくありません。必要以上に食べると胃を荒らし、腸内の善玉菌まで減らしてしまいます。生なら1日1かけ程度、加熱調理済みのものなら1日3かけ程度を、2〜3日に約1回食べるのが理想的な食べ方です。
ニンニクの唯一の欠点は、口に臭みが残ること。牛乳やチーズなどの乳製品や、パセリや青ジソのような香草を食後にとると臭いが残りにくいようです。お試しを!
---2000.12.30 (c) 2000 by Mari Wakasugi ---
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