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Posts Tagged ‘貧困’

社会的包摂の観点で社会的弱者を支援

03.02.2013 · Posted in Interview

NPO法人インクルいわて 理事長 山屋 理恵さん

●個々の立場にたったパーソナル・サポート

「ひとり親で困っている人たちは様々な問題を抱えており、就労や生活保護といった単純な方法では解決できません。いろいろな制度やサービス、人や資源をコーディネートしてオーダーメイドの支援をつくっていく、パーソナル・サポートの考え方がとても大切です」。

インクルいわては、弁護士、助産師、女性センター、保育士、教師、女性支援、生活困窮者支援、障害児支援などのメンバーが、生活支援・就労支援・子育て支援を三本柱に、ひとり親の支援を行なっている。インクルいわての「インクル」とは「inclusion=包摂」の意味で、離婚やDV、被災からの生活の立て直しや就労までのサポートを行う「中間就労」、当事者の交流とピアカウンセリングを行う月1回の「シングルマザーズ・カフェ」、ひとり親の子どもたちのための定期イベント「おひさまクラブ」の他、シンポジウムや支援者養成講座を行い、支援のネットワークを広げている。 (さらに…)

不可視化された貧困

01.02.2013 · Posted in view, 社会

日本の貧困は、相対的貧困といわれる。それなりにきれいな服を着て、家がなくても24時間営業の店で寝泊まりでき、数百円で食事ができる。途上国とは違い、なんとか生きていける環境がある。昔のように貧困はパッ見ではわからない。

高度経済成長期に総中流化した日本人は、見た目だけの中流化を残したまま、持つ者と持たざる者の格差は一向に広がるばかりで埋まらない。落ちるのは早いが、学歴、職業、病気、障害、国籍、出身地、家庭環境、出自、いったん入り込んだ環境からは容易に抜け出ることができない。

経済成長期に「努力は報われる」と教えこまれた団塊世代の硬直した意識のなか、貧困を招いたのは努力不足、根性が足りないなどと精神論で片付けられる。また、自己責任論がまかり通る今、他人の複雑な状況に人はあまり入り込めない。貧困は学歴に比例することが多いため、貧困の原因や現状を訴えるだけのロジックを唱えられたり社会に還元する当事者が少ない。経済不安のなかで、「しんどいのは皆同じ」など一緒にされてしまう。

家庭環境や病気、学歴など貧困のきっかけになる原因を本人は恥となることからオープンにしないため、社会保障の枠組みからこぼれおち、ますます深みにはまる。暮らし、仕事、医療と縦割化された制度ではひとつが解決しても、また別の原因で困窮状態に落ち込む。連動して行わなければ、本当の意味で貧困から脱することはできない。

東北の被災者のインタビュー、下記の連載を読んで、社会的包摂の考え方による支援制度の必要を強く感じる。

●闇の中の社会学〜開沼博
http://diamond.jp/category/s-yaminonakanoshakaigaku

女性の貧困の現状

07.14.2012 · Posted in 女性問題, 社会

今年の2月14日、J-WAVEの、JAM THE WORLDの BREAKTHROUGH というコーナに、大沢真理さんが出演し、女性の貧困問題をとりあげられていた。津田大介さんのナビゲーターの火曜日。

ちょうど、バレンタインデー。お菓子会社のマーケティングで日本では女性が男性にチョコをあげるのがこの日の習慣になり、さらに飛躍して職場では義理チョコを撒くことさえ恒例になったのだが、義理チョコさえ、独身女性にとっては大きな経済負担になっているのでは、という調査結果がでたことについてのインタビュー。

元となるデータは、

◆厚生労働省「各種世帯の所得等の状況」貧困率の状況 平成22年度
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/2-7.html

 
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「女性の貧困問題について(ゲスト:東京大学 社会科学研究所教授、大沢真理さん)」 (さらに…)

日本の子どもの貧困率は、ワースト9位

06.13.2012 · Posted in 子ども

日本の子ども(18歳未満)の貧困率は14.9%で、先進35カ国のうち悪い方から9番目の27位。
これは、ユニセフの研究機関であるイノチェンティ研究所が発行する、先進国の子どもたちの状況を調査・分析した報告書シリーズ、『Report Card』の最新版である『Report Card 10-先進国の子どもの貧困』が、5月29日(火)、ユニセフ本部より発表された報告書によるもので、ユニセフが同様の分析をした報告書によると、日本の子どもの貧困率は2000年12.2%、2005年と2007年がいずれも14.3%。今回は15%に迫り、年を追うごとに上昇している。順位も23カ国中12位(2000年)、26カ国中17位(05年)、24カ国中16位(2007年)と、ずっと低迷が続いている。 (さらに…)

プロジェクトと政策提言で、世界の貧困問題に取り組む

06.01.2011 · Posted in Interview, 社会貢献

特定非営利活動法人オックスファム・ジャパン 事務局長 米良 彰子 さん

●世界中の貧困削減のために

「貧困問題は、理由がひとつではない。いろいろな方に対し、いろいろな視点、いろいろなアプローチで働きかける必要がある。現状を伝えるのは重要だけれど、悲惨さを伝えればいいかというと、必ずしもそうではない。ひどい状況はあるけれど、みんなが関わることによって、こんなに変わる、だからこういうアクションをとって欲しい、ということを見せていきたい」。

オックスファムは、1942年にオックスフォード市民5人が、ナチス軍による攻撃で窮地に陥っていたギリシア市民に、食糧や古着を送ったことから始まった。チャリティーショップを開き、市民活動をしながら、第二次世界大戦後のヨーロッパの戦後復興、植民地独立への難民支援、自然災害に対する緊急支援などを行い、現在、17の地域を拠点に、世界99カ国で活動している。

オックスファム・ジャパンは、2003年に設立された。最も大きな活動としては、毎年5月に小田原から山中湖までのコース100kmを歩くイベント「トレイルウォーカー・ジャパン」を開催し、約5000万円もの参加費や寄付を集め、緊急支援や教育・農業などの国際協力に役立てられている。 (さらに…)