女性がイライラしていたりすると、昔から「あの人、今あれだから」などといわれ、あまりいいイメージのない生理。それは、女性が赤ちゃんを産むためになくてはならないものであり、健康状態のバロメーターにもなる大切なものです。それなのに、人に知られたくない日陰の存在という感じがするのは、不快症状をともなう人が多いからかもしれません。 　生理の10日前くらいから何となく気分が晴れない、イライラする、眠くてしょうがない、足腰が冷える、お腹や胸が張る、食欲が旺盛になって体重が増える、肌が油っぽくなりにきびができやすくなる、などの症状が毎月定期的に起こることがありますが、この一連の症候を月経前症候群と呼びます。 　月経前症候群は、女性の３割〜４割の人に起こるといわれるひじょうにポピュラーなもので、その原因はホルモンの分泌異常によるものです。また、最近月経前症候群になる人が増えてきていますが、それは世の中が便利になり、身体をあまり動かさなくなったことや、環境汚染、加工食品の氾濫、ストレスなどがホルモンの分泌異常を起こしやすくするためといわれています。 　この月経前症候群にイブニングプリムローズオイルというサプリメントが効果を発揮します。イブニングプリムローズとは、北アメリカに自生する、まつよい草のことで、その名の通り夜に美しい黄色の花を咲かせるため月見草ともいわれています。この実から採った油がイブニングプリムローズオイルで、ガンマ・リノレン酸という脂肪酸を豊富に含みます。月経前症候群の人達の血液を調べると、このガンマ・リノレン酸が非常に少なくなっているという結果が報告されています。 　ガンマ・リノレン酸は、体内で生体調節を行うプロスタグランジンというホルモンの材料になります。このプロスタグランジンは、子宮の収縮を正常化したり、血行を促進する、生理に関係する女性ホルモンの分泌を正常にするなどの働きをもち、月経前症候群の不快症状を和らげてくれます。ガンマ・リノレン酸を豊富に含むイブニングプリムローズオイルが月経前症候群に有効なのは、このプロスタグランジンが体内でスムーズにつくられるようになるからです。 　その他、アルコール飲料やカフェインの摂取を控える、脂肪の多い食品を控える、定期的に運動を行う、加工食品を頻繁に利用しない、休みの日は自然の多い場所でのびのびとするなども月経前症候群の改善には役立ちます。 　重い月経前症候群の人は、毎回自殺したくなるほどの気分の落ち込みがあるとかサプリメントで改善できれば万々歳ですね！ ---2000.2.26　(c) 2000 by Mari Wakasugi ---