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[No.060: 水道水のトリハロメタン]


 日本の水道水は、味もまずく、カビ臭や塩素臭、さらには発ガン性のあるトリハロメタンの問題もあり、浄水器やミネラルウォーターを使う人が増えてきました。

■トリハロメタンはなぜできる?

 トリハロメタンは水中の塩素と有機物が反応してできる有機ハロゲン化合物の一種で、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4種類があります。

 トリハロメタンは、原水の汚れの代表である、鉄、マンガン、アンモニア、プランクトンなどの有機物化合物が核となり、それに塩素が結びついて発生します。

 昔のきれいな水であれば、浄水すれば、トリハロメタンの核になるようなものはなかったのですが、現在の水は、浄水してもトリハロメタンの核になる汚れが多いために、塩素を加えると、どうしても発生してしまいます。

 さらに、浄水だけでは取りきれない鉄、マンガン、アンモニアなどの汚れを除去するために、塩素を使用していることも原因のひとつです。鉄やマンガンは塩素を加えると水に溶けない物質に変わりますし、アンモニアは塩素と化学反応を起こし蒸発します。

 昔に比べて、河川やダムなどの原水の汚れが増えたことで、消毒以外にも塩素を使う必要があるために加える塩素量が増え、結果的にトリハロメタンの発生が多くなってしまうのです。

■どんな水道水にもトリハロメタンが含まれている

 塩素注入量が増えたせいで、程度の差はあっても、全国のどの水道水にもトリハロメタンが含まれています。

 なぜ塩素処理をやめないのかというと、水道水の水質を守るために、水道法で「給水栓における遊離残留塩素を0.1mg/l以上保持するように塩素消毒すること」と規定されています。つまり、水道の蛇口から出る水には常に一定の塩素が出るように義務づけられているため、塩素消毒を避けることはできません。

    トリハロメタンには発ガン性が認められて問題となったため、日本やアメリカでは、4種類のトリハロメタンの量が、1リットル中0.1mg以下という暫定制御目標値が設定されています。

■きれいな水を手に入れるには

 水道水を5分くらい煮沸すれば、トリハロメタンは、ほとんどが気化してしまいます。また、浄水器を使ったり、水道水に木炭を入れたりして、水をきれいにするというのも、てっとりばやい方法でしょう。

 しかし、汚れている水道水をこのままにしておいても、きれいになるはずはありません。トリハロメタンが増えたのは、水の汚れが原因です。まず、河川の水を汚さないよう、洗剤を必要以上に使用しない、食用油や野菜くずなどのゴミを流さない、などの私たち自身の努力が必要です。

 また、自分の飲んでいる水道水の水質や水道料金は知らないものです。全国の水道局のサイトでは、水質を公開しているところもあります。水質が違うのに、同じ水道料金を払わされているのも、納得がいきません。

 最近、東京都水道局の金町浄水場などでは、オゾンや活性炭を使った高度浄水処理方式で、より安全でおいしい水道水を供給しています。東京が全国に先駆けて高度浄水施設の建設したのも、「水がまずい!」という住民の苦情がきっかけだったといいます。

 水道水をきれいにするのは簡単なことではありませんが、ときには、声をあげることも必要かもしれません。

浄水場のしくみについては、こちらを参考にしてください。

---2001.4.7 (c) 2001 by Mica Okamoto ---

 

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