脂肪には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」がありますが、怖いのは生活習慣病と密接な関係がある「内臓脂肪」の方。そのため同じ肥満でも、腹の贅肉がたくさんつまめる「皮下脂肪型肥満」より、やせているのに太鼓腹といった中年男性に多い体型の「内臓脂肪型肥満」の人の方が危険度が高いのです。
内臓脂肪蓄積によって、生活習慣病が引き起こされる危険因子が重なった状態を『メタボリックシンドローム(代謝症候群)』と呼びます。
『メタボリック・シンドローム』は、高脂血症、高血圧、糖尿病など1つ1つの病状が軽く、それぞれの数値が低くても、重複すると動脈硬化が起こりやすいことを示した考え方で、欧米では、『メタボリック・シンドローム』になると心筋梗塞や脳梗塞の恐れが3倍程度に高まるとの報告があります。
WHO(世界保健機構)によると、このシンドロームにかかっている人は増え続け、先進国に多く、米国では成人の4人に1人、日本では40歳以上の男性の4人に1人がかかっているといわれています。
身長に関係なく、「最近、ベルトがきつくなって穴を移動させた」「昔のズボンがはけない」など、男性はウエスト85cm以上、女性は90cm以上になれば注意が必要です。
「メタボリックシンドローム」の診断基準
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第1条件 |
ウエスト周囲径 :男性は85cm以上、女性は90cm以上(内臓脂肪型肥満) |
これに加え、以下のうち2項目以上 |
- 血圧:収縮期血圧130Hg以上/拡張期血圧85mmHg以上(高血圧)
- 中性脂肪(TG)値:150mg/dL以上(高脂血症)
- HDLコレステロール値:40 mg/dL未満(高脂血症)
- 空腹時血糖値:110 mg/dL以上(糖尿病)
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「日本人におけるメタボリックシンドローム診断の基準」平成17年4月日本内科学会発表