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ママたちの不安(3)〜安全な食品は?

07.04.2011 · Posted in 原発・放射能

6月21日〜23日、神奈川県数カ所で行った放射線量計測、ママたちが最も気にかけることは、食品の放射能汚染だ。

茨城や福島の産地を基準に買わなければ、「デマを信じて被災地に迷惑をかけている」といわれる。でも、わが子のことを考えれば避けたい。政府やマスコミの報道は信用できない。自分で情報を探すしかない。Twitterやネットで、良くない情報を見つければ、「これもダメなんだ…」と食べるものが減る・・・というストレスの多い日々を続けている。

小学生ママは、「給食と牛乳をどうするか」が学校との対応で一番苦労したという人が多かった。

幼稚園については、「給食」「お弁当」「両方」と様々。お弁当なら自分で納得のいく食材で作れるが、給食については小学生ママと同じ不安がある。「メグミルクは、止めて欲しい」と園長に訴え、メーカーの変更を交渉しているにママがいた。「好き嫌いが激しいので、みんなと一緒の給食だと食べられるようになるかなと思って入園させたのに、こんなことになって…。幼稚園にどこの食材を使っているのか、いろいろ聞いて園長に訴えたりしているんですが…」と不安をにじませるママもいた。
 

●野菜選びに苦労

日頃の食事については、「野菜は、福島産・茨城産は避けて、なるべく九州のもの、外国のものを選んでいます」というママがほとんど。

「今までパルシステムだったんですが、一般の基準と同じらしく、おうちコープの方が少しいいと聞いたので変えました」「九州か四国の野菜を宅配で取り寄せています」「らでぃっしゅぼーやの宅配だったんですが、産地の変更について問い合わせたら、『今までの契約農家との関係をいきなり切れない』といわれたので止めました」。宅配利用者は、宅配業者に問い合わせ、基準などを確認しつつ業者を選んでいる。

「近くのスーパーには、関東や東北の野菜ばかりで、これもダメ、あれもダメ。産地や表示を気にしながら、買うようになり、なかなかないので、あちこちスーパーを回って、買い物に時間がかかって大変です」という声が多い。今まであまり気にせず安いもののほうがお得だと考えていたが、最近は産地や農法まで気にして食材を買うので、出費もとても増えたという人が多かった。
 

●乳製品と水

メグミルクの報道で、乳製品にはかなり敏感なママが多く、「学校の牛乳と乳製品はやめています」という人が、17人中約半数。お子さんが牛乳が好きな子は、西日本産のものを選んでいるという。

水道水については、東京で放射性物質の数値が高いと報道されてから水道水はもちろん、浄水器利用の人もなし。すべて、ペットボトルを買っている人ばかり。「震災まで、飲み水はペットボトルで、調理には浄水器の水道水を利用していましたが、調理にもペットボトルの水を使うようになって、すごい勢いでなくなります」という人も。学校で牛乳を飲まない子どもたちに、ペットボトルにミネラルウォーターをもたせている人も多い。

「ペットボトルを箱で買っていても追いつかないので、水の宅配を3月20日頃申し込んだんですが、うちに届いたのは、5月20日!水の業者は、ボロ儲けなんじゃないですか」というママもいた。
 

●放射性物質以外に気をつける?

子どもが生まれたのをきっかけに食品の安全に目覚める人も多いが、今回、会ったママたち22人中、震災前に自然食品・無農薬野菜をかなり真面目に日常に取り入れていた人は、3名ほど。生協などの宅配を利用していたという人は、5名ほど。他は、全く気にせず、普通にスーパーで買い物をしていた。

以前から自然食品を取り入れている人は、元々スーパーでほとんど買わず、野菜を取り寄せたり、食品の安全性についての基本的なポイントを心得ているため、野菜や肉、卵の産地を気をつけるようになり、西から直接取り寄せたりする程度。なかには、「子どもには基本的に市販のものはあまり食べさせてなかったので、オーガニックなどの食材で手作りが増えました」と自宅で発芽させた発芽玄米でお菓子をつくって出してくれた人も。

生協などの宅配を利用している人は、ある程度食品の安全の知識があり、業者の基準を吟味して選んでいた。

それ以外の人に、「放射線物質以外に気をつけていることは?」と聞くと、「中国産の野菜を買わないくらいかな」という感じ。一昔前に食品の安全で話題になった、着色料や保存料などの食品添加物、残留農薬、ポストハーベスト、遺伝子組換え、牛や鶏などの飼料などについては、「名前くらいは知っているが、特に今まで気にしてない」という人が多かった。

ひと通り説明すると「え〜?!そうなんですか?全然知らなかった…」と驚く人もいれば、「なんとなく知ってて、今は、放射能に神経がいってるけれど、他にも気をつけなきゃいけないこと、たくさんあるんですよね…」とため息をつく人も。

子どもの健康のための安全な食品選びは、気にすれば果てしないし、完全に除去できる気で取り除いていくと、何も食べるものがなくなり、かなりまいってしまう。今回の事故がきっかけで目覚めてしまった人は、「◯◯は良くない」ということに目がいってしまうので、しばらく、情報を自分なりに整理するまでは、大変かもしれない。

さまざまな情報に悩みつつも、あるママは、こういった。
「いしだ壱成さんは、私と同年代なのですが、以前からこういう問題があったことを、3・11以降にいしだ壱成さんのブログで知ってショックを受けた。なんて無知だったんだろう…とものすごく反省しています。ずっと前からあった問題に目を向けず、チャラチャラ遊んでいたから、こんなことになったんですよね。今回の事故を招いたのは、無関心であった私たちにも大きな責任があります。
 私たちは、チェルノブイリと福島を経験した。この状況を考えれば、子どもたちが生きていくこれからの時代には、まだ増えると思う。親である自分自身が生活のあちこちで気にかけることで、とにかく、子どもへの放射能の影響の足し算を減らしたい。今できることは、それくらいしかありません」。 

 
計測結果は、こちら。
【放射線量測定】
6/21(火)公園・小学校など (横浜市青葉区)
6/22(水)公園・小学校など(川崎市高津区・宮前区・横浜市青葉区)
6/23(木)小学校・幼稚園・公園・学童(横浜市緑区・青葉区)

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