避難生活による心身への影響
石巻市の仮設住宅、開成団地の1000世帯にNHKがアンケートを行った結果、370の回答数のうち、「よく眠れない」で38.6%、「気分が沈みがち」が24.4%、「血圧が上がった」が20.3%答える人が昨年より10%も増加している。
●避難生活長引き 心身に影響(NHK東北 03月06日 10時46分)
東日本大震災の発生から3年を前に、NHKが石巻市の仮設住宅、開成団地でアンケートを行った結果、不眠を訴える人や気分が沈みがちだと答える人が去年より10%前後増えたことが分かり、長引く避難生活で心身への影響が出ています。
NHKは震災から3年続けて1000世帯余りの被災者が避難生活を続ける被災地最大の仮設住宅・開成団地でアンケートを行っています。
ことしは370人余りから回答がありました。
アンケートからは住民が長引く避難生活で年を追うごとに心身への影響を強く感じていることが分かりました。
その理由を選択肢から複数回答で尋ねたところ、最も多かったのが「よく眠れない」で38.6%で去年の同じ時期より14%余り増えました。続いて「気分が沈みがち」が24.4%、「血圧が上がった」が20.3%といずれも去年より10%前後多くの人が不調を訴えていました。
また、震災後の外出頻度については「月に数回」、「ほとんど外出しない」と答えた人は、1年目は3.2%、2年目は13.9%だったのに対してことしは17.4%に上り、外出する機会が年々減っていることが分かりました。
調査結果について開成団地の診療所で所長を務める長 純一医師は「仕事も失い、地域との交流も減った人たちは、外出頻度が減ることで気分が沈むという影響が出ているという点もあると思う。将来、災害公営住宅などに移ることも考慮して今から外出しやすい環境やコミュニティーを作る必要がある」と話しています。