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対症療法より根治治療

05.11.2014 · Posted in 健康

西洋医学は、クスリで出ている症状を抑えるだけ。クスリという化学物質で症状を抑えても、その原因を改善しないと、症状は出続けるし、化学物質は悪い部分にピンポイントで効くわけではなく、あらゆる部分に作用するので、他の機能も落ちてくる。そうすると、どんどん他の部分も悪化する。

発熱、鼻水、咳、腹痛などの症状は、その部分に毒素がたまっていて、排出するためのサイン。

自己免疫機能が作動して症状が出ている。体内でその悪者と戦っているから、それをクスリで抑えてしまうと治るものも治らない。

本当に病気を治すためには、免疫機能を高めて、根本から治さないと意味がない。

鍼灸治療のすすめ

鍼灸治療は東洋医学の思想に基づいたもので、古来より様々な疾患に適応されてきたが、現代においては適応される疾患にかなり幅があることが否めない。例えば、急性胃炎も鍼灸治療によって改善するが、現代医学が発展した今では、針灸で急性胃炎を治療する必要性はあまりないといえる(断食するのが一番良い)。現代における鍼灸の役割は無害な対症療法であり、難病や逆に病気とはいえないものを治療する手段だと位置づけるのが自然だ。WHOは、鍼灸治療が有効である疾患リストを作成している(表1)

表1 鍼灸治療が有効な疾患
神経系疾患 神経痛、神経麻痺、けいれん、脳卒中後遺症、自律神経失調症、頭痛、めまい、不眠、神経症、ノイローゼ、ヒステリー
運動器系疾患 関節炎、リウマチ、頸(けい)肩(けん)腕(わん)症候群、頸(けい)椎(つい)捻(ねん)挫(ざ)後遺症、○五十肩、腱(けん)鞘(しょう)炎、腰痛、外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
循環器系疾患  心臓神経症、動脈硬化症、高血圧低血圧症、動(どう)悸(き)、息切れ
呼吸器系疾患 気管支炎、喘(ぜん)息(そく)、風邪および予防
消化器系疾患 胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)、胆(たん)囊(のう)炎、肝機能障害、肝炎、胃十二指腸潰瘍、痔疾
代謝内分秘系疾患 バセドウ病、糖尿病、痛風、脚(かっ)気(け)、貧血
生殖、泌尿器系疾患 膀(ぼう)胱(こう)炎、尿道炎、性機能障害、尿閉、腎炎、前立腺肥大、陰(いん)萎(い)
婦人科系疾患 更年期障害、乳腺炎、白(はく)帯(たい)下(げ)、生理痛、月経不順、冷え性、血の道、不妊
耳鼻咽喉科系疾患 中耳炎、耳鳴、難聴、メニエール病、鼻出血、鼻炎、ちくのう、咽喉頭炎、へんとう炎
眼科系疾患 眼精疲労、仮性近視、結膜炎、疲れ目、かすみ目、ものもらい
小児科疾患 小児神経症(夜泣き、かんむし、夜(や)驚(きょう)、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)、小児喘息、アレルギー性湿(しっ)疹(しん)、耳下腺炎、夜尿症、虚弱体質の改善

この表の中で、特に西洋医学が苦手とする一方で鍼灸が得意とする疾患は、神経痛(しびれを含む)、自律神経失調症、(慢性)頭痛、(慢性)めまい、神経症(の一部)、頸肩腕症候群、頸椎捻挫後遺症、五十肩、関節リウマチ、腰痛、外傷の後遺症、更年期障害、月経不順、不妊、メニエール病、眼精疲労、虚弱体質の改善などになるであろうか。なお、表には記載がないが、鍼灸で効果がみられる精神科領域の疾患には、疼(とう)痛(つう)性障害、仮面うつ病、身体表現性障害、心身症、体感幻覚、低脳脊(せき)髄(ずい)圧症候群、慢性疲労症候群、線維筋痛症などもあると思われる。

精神科領域における鍼灸治療の一番の問題点は、保険が適応されず高額になる、つまり、ある程度経済的な余裕がないと受けられないという点である。何回か施術してみて効果がないのに、漫然と続けることはお勧めできない。相性や効果をみて選択してほしい。なお、鍼灸治療を受ける際には太極療法をきちんとやってもらえる鍼灸院をお勧めしたい。太極療法とは、病的部位に針を刺すほか、全身の主要な「ツボ」にも針を刺す方法である。ここに「病変だけを見ずに全体を見る」という東洋医学の基本思想がうかがえるだろう。

最後に言えることは漢方治療であれ鍼灸治療であれ、それ自体が対症療法であるということである。これを根治療法のようにのたまう治療家は決して信用してはいけない。ほとんどの人は根本治療のように考えているが、皇帝治療の時代から体質を変えたり根本的な治療としてはみなされていない。根本的な方法とは歴史上、食、水や空気の改善、運動や生活の改善、そして考え方や心がけの改善以外にないからである。漢方や鍼灸の利点は副作用の少ない対症療法であると同時に、これらの根本に気付かせるための導入部でもあるということだ。よって東洋医学の治療家はすべて漢方や鍼灸を行うと同時に、食の指導(とくに現代における社会毒の排除)を同時に行えねば治療家とさえいえない。市民が治療家を選ぶ時の目安にもしてもらいたい。

内海聡氏のFacebookより

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