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被災地、生活再建できない人たち

09.10.2014 · Posted in 震災復興

3・11からもう4年目になるが、まだ仮設住宅暮らしの人たちは、10万人弱。

家をなくす、家があるのに帰れない、家族を失った人たちは、そう簡単には、元の生活に戻ることはできない。

津波被害の地域は、勝手に家を建てられないので、行政の対応のせいで、遅れまくっていて、目処が立たないところが多い。

なぜ、そんなに遅いのか? 国の予算配分を考えると、復興させる気があるのか、とも思う。

いろいろなものを失って力の削がれた人達が、今後、元のような力を取り戻すときは、くるのだろうか。

【忘れない、立ち止まらない】「仮設で死にたくない…」 生活再建できない人の方が多い残酷な現実 (ZAKZAK 2014.09.09)
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140909/dms1409090830003-n1.htm

★(1)

 岩手県陸前高田市ではこの春、山を切り崩して高台に住宅地を造る工事がようやく始まった。

 切り出された岩石や掘削土は、「希望のかけ橋」と名づけられた総延長約3キロのベルトコンベヤーによって旧市街地へと運ばれ、かさ上げに利用される。10トン積みダンプカー100万台分の運搬機能があり、本来なら10年近くかかる作業を1年半ほどに短縮できるのだという。

 最近は自主再建された家屋も目立つようなり、「あ、ここにも新しい家が」と驚くことが増えた。こうした目に見える変化は、着実な前進を感じさせてくれる。一方で、数軒の新築住宅だけを指し、「もう大丈夫なんですね」と言われると、町の至るところに建つ仮設住宅の数とその状態を見せたいと思う。

 仕事で出会う人や講演させていただく際などによく、「東日本大震災後に建設された応急仮設住宅が今どれくらい残っていて、何人くらいが生活していると思いますか」と尋ねてみる。「約10万人、7万人、5万人。この3択ならばどれが一番近いでしょう」と。手が多く上がるのは5万人か7万人である。

 内閣府のデータによると、今年5月時点で残る仮設住宅は4万2590戸。およそ9万3000人が暮らす。北海道の室蘭市、兵庫県の高砂市の人口が約9万4000人というから、比較的大きな都市の市民全員が家を失った…と考えてもらえればいいのだろうか。

-そんなふうに話すと、たいていの人が目を見開く。「思っていたより多い」と感じるからだろう。それだけの人々が再出発を果たすまでにかかる費用や年月が、どれほど膨大なものであるか。

 さらに言えば「その全員が再建を果たすことは不可能だ」ということが、おぼろげにでも想像してもらえるのだと思う。

 陸前高田の場合、土地造成の完了は早いところで2016年度。18年度になるところもあり、単純に考えても発災から5年以上の歳月を要する。応急仮設住宅は文字通り“応急”であり、短い間の仮住まいに過ぎないはずだった。そこに5年以上暮らすとなれば、それはもはや応急でも仮でもない。傾きやカビの被害などすでにさまざまな不具合も出始めている。

 「仮設で死にたくない。でもそうなるんだろうな」

 そんな言葉が主に高齢者の口から漏れ聞かれるようになった。3年半という時間がくっきりと際立たせたのは、復興へと向かう希望よりもむしろ、「立ち直れない人のほうが、立ち直れる人よりはるかに多い」という残酷な現実なのかもしれない。

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