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コレステロールの指針は、意味がない

04.30.2015 · Posted in 健康

コレステロール値がどうのこうの、善玉と悪玉、って一体なんだったのか?

「コレステロール値を減らす」などとうたった、食用油、お茶やマヨネーズなどいろいろ商品の販売戦略に使われてきた。

企業の商品を売るための捏造キーワードだったのか?

●食事コレステロールもう気にしなくていい? 「血中濃度と無関係」 厚労省は抑制目標値「撤廃」(産経ニュース 2015/4/29)

http://www.sankei.com/premium/news/150429/prm1504290012-n3.html

 心筋梗塞などのリスクを高める「脂質異常症」の原因として、悪者扱いされてきた食品に含まれるコレステロール。過剰摂取を避けるために摂取が制限されてきたが、世界的に見直しが検討されている。ただ、健康診断などのときに食事のコレステロールを控えるように言われた人も多いだろう。本当に気にしなくても大丈夫なのだろうか。

◆目標量を撤廃

 厚生労働省は今年4月改訂の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で、これまで成人は男750ミリグラム、女600ミリグラムを上限としていた食事からのコレステロールの目標量を撤廃した。摂取基準には、国民の健康の維持・増進や生活習慣病予防などを目的として、各栄養素の摂取量が決められていた。コレステロールについては摂取基準ができた平成16年から目標量を設けていた。撤廃について、厚労省栄養指導室は「目標量を設定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため」と説明する。

 コレステロールは、細胞膜を構成する成分で、ホルモンや胆汁酸の原料にもなっており、生きていくのに欠かせない脂質。健康診断で「コレステロールが高いですね」といわれるのは血中コレステロールのことだ。血液中のコレステロールの量が多いと、血管の内側にたまって動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などの危険が高まるといわれている。

◆血中濃度に影響なし

 これまで食事のコレステロールを制限すべきとしたのは、血中コレステロールに影響を与えると考えられていたからだ。このため、コレステロールを多く含む卵や鶏レバー、バター、エビ、イクラなどは悪者扱いされ、卵にいたっては「1日1個まで」という制限が常識のようにもなっている。しかし、日本脂質栄養学会の小林哲幸理事長は「さまざまな研究で、食事のコレステロールと血中濃度に因果関係がないことが明らかになってきた」と指摘する。

 血中コレステロールの7~8割は体内で作られ、食事の影響はもともと少ない。また、コレステロールの摂取量が多ければ体内で作る量が減らされ、逆に摂取量が少なければ体内でたくさん作られるというように、血液中の量を体がコントロールしていることが分かっている。

 米政府も2月、食事から摂取するコレステロールと血中コレステロールの間に明確な関連を示す証拠がないとして、今年改める食生活指針でコレステロールの摂取基準を撤廃する方針を出した。今後国民の意見を聞いた上で改訂される見込みだ。

 米国や英国では30年以上にわたって総脂肪と、バターなど動物性脂肪の多い飽和脂肪酸の摂取量の制限を基本とした食事指導が行われてきた。しかし、英国の医学雑誌に2月、「食事指導を実行してもしなくても心筋梗塞などによる死亡率は変わらない」とする研究結果が発表された。健康な人と脂質異常症の患者らを対象にした複数の研究を分析した質の高い研究で、血中コレステロールを減らすことを目的に行った従来の食事指導には根拠がないことを示した画期的な内容だ。

 ただ、日本動脈硬化学会は、脂質異常症の患者に対するコレステロールの摂取制限を今後も継続し、見直しは現段階では考えていないといい、5月1日に会見を行う予定でいる。

◆和食がお勧め

 コレステロールを含む食品は動物性タンパク質や脂溶性ビタミンなどを含む物も多い。「日本人の食事摂取基準」検討委の報告書には「高齢者では摂取量を制限すると低栄養を生じる可能性があり注意が必要」とし、高齢者には適度な摂取をむしろ推奨している。ただし、脂質は他の栄養素の2倍以上のカロリーがあり、食べ過ぎればカロリーオーバーとなる点は注意が必要だ。

 小林理事長は「食事のコレステロールを気にする必要はないが、脂質の量と質には気をつけてほしい。現代人が不足しがちな必須脂肪酸である『オメガ3脂肪酸』などをバランス良く取ることが大事で、それには魚や野菜を使った伝統的な和食がお勧めだ」と話している。

◆ゼロ表示は継続

 もはや食事のコレステロールを避ける必要はなさそうだが、そうすると「コレステロールゼロ」の表示は意味がないといえないだろうか。

 日清オイリオ(東京都中央区)は、13年からキャノーラ油などで「コレステロールゼロ」をうたってきた。広報IRグループは「油とコレステロールの関係を気にする人はまだ多い。求める人がいる以上、見直しは考えていない」とし、表示は今後も継続する。

 「ゼロノンコレステロールマヨネーズ」を販売するキユーピー(調布市)も「医師から控えるように言われたり少しでも減らしたいと考えたりする人はいるので、引き続き提供していきたい」としている。

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