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ママたちの不安(1)〜放射能の影響

06.04.2011 · Posted in 原発・放射能

5月26日、6月1日、神奈川県内に住む、母親たちの要請により、ガイガーカウンタ−での計測にいった。

1件目は、小学生のママ。学校給食のメグミルクの牛乳を飲ませたくないために水筒を持たせたいと学校に問い合わせたところ、最初はしぶられた。その後、持っていく許可はでたが、学校側から「水筒を持たせる理由として、放射能の影響が云々、ということは、周囲に言わないように」と念を押されたそうだ。

このママは、本当に子どものことを心配していて、周りのママたちにもメールをして、危険を訴え、学校給食の改善を訴えた。しかし、他のママたちから反応があったのは1人か2人。
「みんな、心配じゃないの? 子どもを守るために、どうして学校や行政に対して訴えないの?」
子どもを持つ親なら、子どもの健康や将来のことを考えて当然だ。
なのに、反応が鈍いのは、「それほど心配ないんじゃないの?」と楽観視しているのか、あらがっても無理だというあきらめなのか、「そんなこと言い出したら、食品添加物や農薬や食べるものなくなるじゃん」と最初から考えないという無知からくる無気力さなのか。

周りの反応がそんな感じなので、給食や放射能の問題を大きな声ではいえなくなっている。みんな、心のなかでは不安に感じているのに、なかなか口には出せないし、面と向かって議論もできない。大変なストレスだと思う。正論を普通にいっても、そのコミュニティにとっては、過激とみなされるかもしれない。ママ同士、子ども同士の関係にも影響が出る。子どもを不安にさせないために、その問題に触れないようにしている親もいるだろう。でも、なくさない限り、不安は解消されない。みんな、どの立ち位置で話すか、行動するかが、暮らしにモロに影響する。

このママは、TwitterやYoutubeなど、関連情報を見まくっていて、夕食時に、ご主人がTVでバラエティを見ているのを横目に、イヤホンで東電などの会見を聞いたりしていたら、「なんなんだよ、その態度は!」と夫婦ゲンカになったそうだ。
「子どもの健康が心配じゃないの? あなたも親なら真剣に考えてよ」と訴え、ママは態度を変えなかった。そのうち、ご主人が折れて「好きなだけやればいい」となったという。

しかし、関東圏に住んでいては、どんなに対応をしても被ばくの可能性があることを考え、九州のご主人の実家に子どもと一緒に行くことを決心したそうだ。ご主人は、あとから。しかし、神奈川生まれ、神奈川育ちのママは、知らない土地で知り合いもいない環境で、子育てができるかとても心配そうだった。

放射能に限らず、震災や復興、国や東電の会見や態度に対し、家族や友人・同僚の間で見解に温度差が出ていて、それが些細なトラブルや人間関係がぎくしゃくする原因になっている。

子育てに関する考え方でも夫婦で違い、それがきっかけで離婚をする人もいるくらいだから、放射能や健康に関する知識や考え方には、さらに違いがあるだろう。放射能に関して、今までどれだけの人が、本気で考えたことがあっただろうか。子どもの健康や将来を考え、親が必死で子どもを守るのは当たり前のこと。それが原因で家族がぎくしゃくするのは、あまりにも悲しい。

現状、子どものための親の行動として、何がベストなのかわからない。家族でよくコミュニケーションをして、夫婦や家族が納得する方向性を見出すしかない。小さい子どもを持つ家は、ディズニーランドや動物園も、お弁当をもって公園にいくのも、夏休みの旅行さえも、今は考えられないという人が少なくない。子どもへの放射能からの被害を極力避けるには、外で遊ぶのをあきらめざるをえないと考える人もいるだろう。普通の暮らしをぶちこわし、不安を増やした東電・国の責任はあまりにも大きい。

計測結果は、こちら。→ Portside station 【放射線量測定】幼稚園・公園ほか

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