[No.33:『プラダ』のフラッグシップストア]
先日もお伝えした通り、クリスマス直前の12月16日、ソーホーのグッゲンハイム美術館分館跡にPradaのフラッグシップストアがオープンし、話題を呼んでいます。
オランダ人建築家レム・クールハース氏によって手がけられたこのストアは、デザイン性に溢れており、またハイテクを駆使したドラマティックなもの。
30000スクエアフィートの店内は1階と地下に分かれており、なんとその建築費用は$30million(約39億円)。「波」をテーマにしたというそのインテリアは、イメージどおりに中央部分が地下へ窪んだ形に吹き抜けになっており、正面から地下へ降りる長い階段には、ずらりと靴が並べられています。また階段の途中にはクッションが置かれており、休憩する買い物客の姿も。
地下のフロアは小さく区切られた空間に商品が陳列されていたり、テレビ・スクリーンが設置してあったりと見所が沢山。そしてプラダ・ファンにとっての嬉しい計らいは、プラダの前シーズンのヒット商品が購入できるということ。
1階のフロアには、2000年の春夏コレクションや、ヴィンテージ・ショップで人気の高い1997年の春夏コレクションのヒット作が、今シーズンの商品と一緒に陳列されていて、プラダのタイムレスなスタイルを打ち出しています。
オープンにこぎつけるまで何年もかかったこの大プロジェクト。一時は中止になったのではないかと噂されたほどでしたが、このパフォーマンスを見たら納得という感じです。
多くのメディアに取り上げられ、ファッション業界のみならず大きな話題となっているこのブティックのオープニングパーティーには、あの多忙なジュリアーニ市長も出席したとか。
業界やマスコミ関係者の間では、「コストがかかりすぎている」、「デザインが斬新過ぎる」、「コンセプトが良くない」といった批判的な意見もあるようですが、洋服が売れるか売れないかは別として、新たな観光スポットになることは間違いないでしょう。
---2002.1.15 (c) Kayoko Okochi ---
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