[No.37:紫外線の多い時期のシミ対策]
春から夏にかけて紫外線の量がどんどん増えていきます。特に、5月は1年でも最も紫外線の多い季節で、シミや日焼け対策が必要です。昨年の夏頃にできたシミや日焼けも、4月までには目立たなくなっているはずなので、今のシミは、本当のシミということになります。
シミは皮膚のどの部分にできたかで、大きく3種類に分けられます。
1つは、皮膚の最も外側の角質にメラニン色素があるシミ。とても厚くなった角質にできているので、ザラザラしたり盛り上がったりしています。これはレチノイン酸や炭酸ガスレーザーなどで角質を取り去るとシミは薄くなります。
レチノイン酸は、肌のターンオーバーを活性化し、その速さを数倍にする効果があります。加齢などで肌の代謝が衰えたために、メラニンが角質に残ったり、表皮にためこまれたりしてできたシミに効果的です。
レチノイン酸を塗ると肌が赤くなりますが、それは肌の生まれ変わりが早まったためで、その後にはメラニンが角質とともにはがれて、シミが消えていきます。ハイドロキノンという強力な美白成分と一緒に使うと新たなシミができるのも防げます。
ただし、米国では医師向けに販売されているレチノイン酸は、日本には輸入されておらず、医師の元で調合されて使われています。
2つ目は、角質の下にある表皮にできたシミ。このシミは美白コスメの成分でメラニンが新しくできるのを抑えることができます。
特に、ソバカスや薄茶色で表面がなめらかなシミには、美白コスメが効果を発揮します。医薬部外品や薬用とある美白コスメには、ビタミンC、コウジ酸、アルブチン、エラグ酸、カモミラETなどの美白成分が入っています。これらはメラニン合成を抑える成分として厚生労働省に認められています。また、保湿剤として加えられている、AHA、チョウジエキス、油溶性甘草エキスなども新たにメラニンができるのを抑えます。また、レチノイン酸とハイドロキノンの組み合わせも効果を発揮します。
そして、最もやっかいなのが、肌の奥の真皮にできたシミです。目の下のクマや目の周囲にある青黒いシミの多くは真皮にメラニン色素が沈着してできます。このタイプには美白成分も効きにくいのですが、最近は、真皮のシミだけを破壊できるQスイッチというレーザーが登場しています。
シミはひどくなるとなかなか取り除くのが困難です。日頃のUV対策とスキンケアで、できるだけシミを作らないように予防を心がけましょう。
紫外線については▼No.017:紫外線のUVBとUVAの違いはも参考にして下さい。
---2002.5.11 (c) Mica Okamoto ---
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