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子どもの健康情報【夏のベビーカーは予想以上に高温】


 夏にベビーカーを使うときは、タオルなどで日差しを遮るくらいでなんとか大丈夫だと思いがちです。しかし、これは逆効果で、ベビーカーの中は、押して歩く大人の顔の位置よりも4度以上も暑くなる場合があるのです。

 兵庫県立生活科学研究所などが2003年6月から8月にかけて、市販のベビーカー2製品を使って実験した結果によると、夏の日中、午後2時頃にアスファルト路面上でベビーカーを押している場合、乳児の顔の位置の温度は、気象台発表の気温より、5.5度も高い36.4度にもなりました。これは大人の顔位置の温度よりも3.5度高い結果となっています。

 そのうえ、ベビーカーを停止した場合は、アスファルト路面上でさらに高温になり、大人の顔位置との温度差は4度を超えました。公園で停止した場合は、大人との温度差は3度以下になりました。その理由は、低い位置にあるベビーカーの内部は、アスファルト路面からの放射熱をより受けやすいからです。公園の土の路面よりもアスファルの放射熱も高いのです。

 また、日差しが強い時、ベビーカーをバスタオルなどで覆って日差しを防ぐと、熱がこもり、より高温となってしまい逆効果になることもわかっています。

 また、雨天時と曇りの時に、ベビーカーのレインカバーを装着して押し歩いた場合、温度上昇がひじょうに高くなることも判明しました。雨天時、大人の顔位置で26.1度だったのに対し、ベビーカー内はレインカバー装着後わずか15分後には4.5度も高い30.6度に、曇りの時には大人の顔位置で26.1度だったのに対し、ベビーカー内は6.7度も高い32.6度にもなったのです。レインカバーは防水性で通気が悪く保温力も高いため、温度上昇も普通より高くなります。雨天時などでレインカバーを使用する場合は、時々、カバーをめくるなどして換気することが必要です。

 もともと乳幼児は体内水分量の調節機能が未熟で脱水症状を起こしやすいうえに、のどの乾きを訴えられません。夏に乳児を連れ歩くときは、特に十分な水分摂取を心がけるようにし、泣いてぐずるようなら、涼しい場所に移動して、 落ち着くまで待ってあげましょう。

 兵庫県の調べでは、市販のベビーカーの放射熱対策が不十分なことがわかり、放射熱を防ぐ対策をメーカーに求めています。また、レインカバー装着時に著しい温度上昇が起こることを使用者に周知するため、注意表示などを行うよう、製品安全協会やメーカーなどに要望する予定です。

 赤ちゃんの寒さ対策には敏感ですが、暑さについては汗をふく程度であまり気にしていない人も多いのではないでしょうか?大人が我慢できる程度の暑さでも赤ちゃんは脱水症状などを起こすことがあるので、注意を心がけましょう。

兵庫県のプレスリリース「ベビーカーに乗った乳幼児がおかれる環境の実態に関する試験研究」


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