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子どもの健康情報【ベビーのママの心のケア】


 初めての出産。どんな赤ちゃんが生まれて来るのかなと、すべてのママは不安と期待でいっぱいです。 でも、もし早産で生まれたり、何か気になる病気を持って生まれてきたら...お母さんのそのときのショックは計り知れません。

 生まれてすぐに検査で保育器に入ることになったら、母親は罪悪感をもってしまい、「私のどこが悪かったの?」と自分を責めないではいられません。そんなママの気持ちをケアしてくれるところがあります。

「カンガルーケア」は、わが子を保育器の中から出して、服の中に入れ、素肌がふれ合う状態で抱っこする、まるでカンガルーの親子のような状態でスキンシップをはかるという方法です。

 コロンビアで、保育器が不足していたための代替え策として始まったのが、欧米に広がりました。日本では4年前に、聖マリアンナ医科大横浜市西部病院で始められ、今では全国60の病院で行われています。

「タッチケア」は、集中治療室から出たばかりの未熟児の赤ちゃんの手足、胸、お腹などをやさしくマッサージする方法。小さな赤ちゃんに触れることで母親として子どもが育つために何かできるという自身につながるそうです。

 日本タッチケア研究会によると、聖マリア病院(福岡県久留米市)のほか6ケ所ほどの病院で行われているそうです。

 ベビーが保育器に入って抱っこできないと、どうしても不安や罪悪感が出てきてしまいます。カンガルーケアだと、肌がふれ合い体温を感じるだけでも、安心感が生まれます。

●育児に悩むママのためのメンタルクリニック●

 育児中のママは何かと思い通りにいかず、イライラしがち。子どもを怒鳴ってしまって、落ち込む人もいるはず。このような育児に悩むママを対象にしたメンタルクリニックも増えています。

 埼玉県吉川市にある「こむたメンタルクリニック」は女性と子ども専門の精神科診療所。個別の治療のほかに、20〜30代の母親や子どものいない女性7、8人の集団精神療法も採り入れている。育児に悩む母親は、自分の子ども時代の親子関係に原因があり、それが解決されないまま、母親になってしまい、ストレスを赤ちゃんにぶつけることが多いため、同じような悩みを抱える人がお互いに感じている気持ちを言葉で出し合い、嫌な感情も受け止められるようにするのだそうです。

 「CHR研究所」(横浜市港北区)では、「母親笑顔教室」を開き、「子育て心理学」を教えています。子育てにカウンセリングの方法を採り入れることで、参加者の互いの悩みを分かち合うことができるようになります。

●ネットワーク●

 各地域で行われているさまざまなメンタルケアの活動をつなげようと、乳幼児と家族のメンタルヘルスを考える「FOUR WINDS」が設立されました。医師、心理士、保母、保健婦など約300人の会員がおり、年に1回大会を開いて、地域活動の交流をはかっています。

 英国では、うつ病の母親が赤ちゃんと離れずに入院できる「精神母子ユニット」が整備されていますが、日本では対応が遅れています。日本でのうつ病発症率は、欧米並みの10%ほどですが、産後の肥立ちが悪いなどと片付けられ、なかなか表に出ませんでした。九州大学医学部では、精神科、産婦人科、保健婦が協力し、「産後うつ病」の早期発見と対応するシステムづくりが行われています。

 現代の育児事情は、核家族が進み、なかなか育児経験のある人と接する機会が以前より減ってしまい、一人で悩むママも増えています。自治体で行われている、育児支援事業では保育園や小児科で育児相談を受け付けているところも少なくありません。

 日本ではまだ「児童精神科」は正式な診療科名として認められておらず、母子のメンタルヘルス対策も欧米に比べて遅れがちですが、一人で悩んでいても解決できません。本当に親身になってくれるいい相談相手と出会えるよう、もっともっと医学界と保母などの連携プレーが増えればいいですね。

参考:朝日新聞 99.4.13


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