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子どもの健康情報【一番上の子、下の子より神経質?!】


 一人目の子育ては、親も神経質になりがち。きちんと育てようとして、あれこれ細かいことまで口を出す人が多いのではないでしょうか?

 そのせいか、一番上の子は親の指示がないとなかなか動かず、おっとりした性格の子が多く、下の子たちは、それを見ていて先回りして動くので、てきぱきした子が多い…そんな話をよく耳にします。「総領の甚六」(「長男長女はおっとりしていてお人好し」という意)なんてことわざもあるほど。実際には、子どもの性格や親の性格にもよるので、一概にはいえませんが、子どもの性格についてのこんな調査結果があります。

 「一番上の子は弟や妹より神経質で、緊張しやすい」という調査結果が東海大医学部の研究グループによって報告されています。

 東京都内の保育園に通う1000人の園児の母親に、1998年秋から1999年初めにかけて質問した調査で、母親の平均年齢は32.6歳、園児は3.8歳。回答率は98%でした。

 母親がわが子の性格を「神経質」と認めた割合は、弟や妹をもつ長子についてが最も多く、42.7%。  これに比べて、一人っ子は35.1%、第2子は23.7%、第3子以降は15.8%で、兄弟姉妹の下のほうになるほど、のんびり屋さんになる傾向がありました。また、「緊張しやすい」とされた長子の割合も、第2子の約1.5倍で、心理的に不安定な傾向がうかがえる結果になっています。

 こうした傾向が、「赤ちゃん返り」などの現象になって現れているのではないか、と研究グループは考えています。第2子が生まれると、親はどうしても赤ちゃんにかかりっきりになります。長子は親にかまってもらえる時間も抱っこされる回数も減り、生まれて初めての親との距離を感じさせられます。後から生まれた子に母親を奪われたように感じてしまうことも、心理的な不安定さの一因ではないかといわれています。

 逢坂文夫・東海大医学部講師(地域保健学)は「『お兄ちゃんだから』『お姉ちゃんだから』と厳しく言い過ぎると、さらにストレスが強まって、その後の人格形成に影響を与えかねない。核家族化が進んだ現代では、下の子が生まれると母親がかかりきりになりやすい。父親の積極的な育児参加が必要だ」と話しています。

 親は赤ちゃんが泣いたら上の子と遊んでいても、中断してすぐに赤ちゃんの方にいってしまいますが、それが上の子の不安定さを助長させる結果となるのではないでしょうか。  育児の専門家は、長子の赤ちゃん返りについて、「この時期の赤ちゃんは、かまってもらったことを覚えているわけではない。それよりも、泣いたらすぐに赤ちゃんにかまう親の姿を見ることでの、上の子への悪影響のほうが大きい。赤ちゃんはしばらく泣かしておいてもいいから、上の子を優先してあげてほしい」といいます。

 反抗期の子や生意気な言葉を覚えた子に比べると、小さい赤ちゃんはかわいく見えるので、どうしてもかまってしまいがち。「下の子がかわいい」なんていってしまう人もいますが、年齢は違っても我が子に対してきちんと愛情を注いであげることはとても重要です。2人目、3人目と生まれると子育ても大変になって親も余裕がなくなり、上の子に厳しくあたってしまいますが、一番上の子ほど親との関わりを大事にしているのですから、子どもの様子を見ながら十分に対応してあげてほしいと思います。

参考:2000.8.29 朝日新聞

---2004.4.9 (c) Mica Okamoto ---


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