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子どもの健康情報【仕事をしている母親の子育てへの影響は?】


 働きながら子育てをしている母親は、一緒にいる時間が少ないことで、子どもに罪悪感を持つ人も少なくありません。また、接する時間が少ないことが、子どもの成長のうえで、なにか影響が出ないか心配です。そんなママたちにとって、気になるデータがあります。

■母親の仕事は子どもの問題行動と関係ない

 「幼児期の母親の仕事の有無は、子どもの問題行動には関係しない」と、国立精神・神経センター精神保健研究所の菅原ますみ・家族地域研究室室長が4月21日に東京で開かれた「赤ちゃん学会」で発表しました。

 1984年8月から86年2月までに神奈川県内の病院で出産した1260組の母子の協力を得て、生後6ヶ月、18ヶ月、5歳、8歳、10歳、14歳と追跡調査をし、最終的に追跡できた270組から、注意欠陥や攻撃性、反社会的行動などの問題行動の有無、引きこもりや不安などの抑うつ傾向などを調査しました。

 子どもが3歳未満のときに働いていた母親は約25%。生後6ヶ月、18ヶ月、5歳では、母親が働いていたグループと働いていなかったグループでは、働いていたグループのほうが、問題行動が少なかったのです。8歳以上では、両者に全く差はありませんでした。

 菅原室長は、「米国で2000人以上を追跡した調査でも、母親の早期就労と子どもの問題行動に関係はないという結果が出ています。3歳までの育児環境は大切ですが、母親が働いているかどうかは直接関係はないようです」と話しています。

■託児時間の長い子は攻撃的

 一方、アメリカでは「保育施設に預けられる時間が長いほど、子どもは攻撃的な性格になる」という調査結果が発表されました。

 米国立衛生研究所が研究費用を拠出し、アメリカの10都市の乳幼児1364人の育っていく環境を10年間にわたり、追跡調査したところ、生後3ヶ月から4歳半までの時期に、保育園などに週30時間以上預けられた子どもの17%は、幼稚園でほかの子に乱暴を振る舞ったり、先生に反抗したりする傾向が強かったのです。週10時間以下の子どもが幼稚園で問題行動に走るケースは6%以下でした。

 対象となった子どもの託児時間は平均で週26時間。預け先は、保育園、託児所、自宅でベビーシッターでも、結果は同じでした。子どもの性別や家計にも関係ありませんでした。

 研究を率いた英ロンドン大のジェイ・ベルスキー博士は、「週何時間までなら大丈夫という線引きは難しい。ただ託児時間をなるべく短くしたほうが、子どもにはよいといえる」と学会で発表しました。

 保育園などに預けている母親にとっては不安なデータですが、必ずしもそうなるとはいえません。その子の性格にもよりますし、一緒にいる時間が短くても、きちんとコミュニケーションがとれていて、絆をつくっていければ、問題行動に走るとも限りません。親子関係をどう築くか、が最も重要なことだと思います。

参考:朝日新聞01.4.22・4.28


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