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今どきの子どもたち
【「ねこまんま」は気持ち悪い?!】

 ある日の給食でのこと。
 ご飯にみそ汁をかけた「ねこまんま」を食べていたSくん。それを隣の女の子のMちゃんが見て「気持ち悪い」と騒ぎ出した。

 「なんで、そんなもの食べるの?気持ち悪いからやめてよ」
 Sくんは、別に変だとも思わず、そのまま「ねこまんま」を食べていたが、Mちゃんは、気持ち悪いといい、とうとう先生に言いに行った。
 「あんな汚い食べ方はやめてほしい。見ていたら、気分悪くなって、吐いてしまった・・・」  そしてMちゃんは、保健室へ。

 その日の夕方、Sくんの家に担任から電話があり、ことの顛末を知らされた。  担任は、別に変な食べ方でもないが、周りの子が気持ち悪いといっているので、できるだけそんな食べ方はしないように親から言ってもらえないか、というものだった。

 母親はその話を聞いて、息子と話し合った。
 母「どうして、そんな食べ方したの?家でもあまりそんなことしないのに」
 Sくん「だって他の子がやってて、ちょっとやってみたかったんだもん。お母さんも家では、あんまりやっちゃダメっていうじゃない」
 母「私があまり好きじゃないのよね。女の子にはそういう子が多いから、学校ではやめなさいよ」

 この話をSママから聞いて、私は考え込んでしまった。
 ご飯におみそ汁をぶっかけて食べる「ねこまんま」って、ある意味で、日本の伝統食みたいなもの。実際においしいと思う。それを、「汚い」、「気持ち悪い」呼ばわりしてしまう、感覚って一体なんなんだろう?洋食に影響されすぎて、日本の昔の食べ方も忘れ去られるのかな、と少し悲しい気がした。

 それを学校での指導でどこまでやっていいものなのか。給食というある種、自由のないメニューで、食べ方くらい自由にしてもいいじゃない、と思うのだけれど、一方で、「人の嫌がることはいけないこと」という集団生活の掟が学校ではまかり通る。

 大人になってみてわかるのだが、子どもの頃に、なにを食べていたかは、一生の食生活に影響する。子ども時代に食べたことがないものは、大人になってもなかなか手を出せない。食わず嫌いになりがちである。なかには、大人になってから食べたその味が忘れられなくて、クセになるという人もいる。

 自閉症の娘を持つ母親にその話をしたら「うちの子もあったわよ。ひとつひとつが、きちんと分けられてないと食べないの。もちろん、ご飯とおかずは別でないといけない。得体の知れないものは絶対に口に入れないのよ。一時期、カレーも丼も「ぐちゃぐちゃして汚い」といって食べなかったわ」

 子どもにとって食べ物の初体験は多いことだろう。でも、見た目で判断しないでほしい。世の中には見た目は悪くても、おいしいもの栄養がいっぱいあるものが、たくさんある。とりあえず、口に入れて自分の舌でよく味わってから決めても遅くないと思う。

---2002.5.27 (c) 2002 by Mica Okamoto ---


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