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気になる健康情報【栄養豊富な秋の味覚、柿】

 秋の味覚の代表格である柿。縄文、弥生時代の遺跡から化石が出土していて、日本原産の果物といわれていますが、実際は奈良時代に中国からわたってきたというのが有力な説です。

 日本の柿は16世紀頃にポルトガル人によってヨーロッパに渡り、その後、アメリカ大陸に広まり、「KAKI」の名前で親しまれています。英語で柿をパーシモンと呼びますが、パーシモンはアメリカ東部原生のごく小さいアメリカガキで、日本の柿とは違います。

豊富なビタミンCとさまざまな健康効果のタンニン

 柿というと甘くてカロリーが高そうなイメージですが、意外にもビタミンCが豊富。柿100g中(柿1個は約200g)には70mgのビタミンCが含まれており、みかん100g中の35mgに比べるとなんと2倍。ほかにも、ビタミンK、B1、B2、カロチン、タンニン(渋味)、カリウムなどを多く含んでいます。その栄養価の高さを、昔の人は「柿が赤くなれば、医者が青くなる」という言葉で表していたほど。

 ビタミンCとタンニンは、体内のアルコール分を体外に排出する作用があり、さらにカリウムには利尿作用があるため、二日酔いに柿を食べると効果的といわれています。また、果物の中の果糖はアルコールの酔いを早くさますため、お酒のお供に果物を加えれば、悪酔いも防げます。

 柿にはタンニンが含まれていて渋みがありますが、熟すと渋みがなくなるものを甘柿、熟しても渋みがぬけないものを渋柿といいます。未熟な柿が渋いのは、果肉のタンニン細胞の中身が水に溶けやすいためですが、熟してくるとタンニン細胞の中身が凝固して溶け出さなくなるため渋みを感じなくなります。

 柿シブのタンニンは血圧を下げる効果があり、脳梗塞の予防になります。中国では血圧降下のための漢方薬として古くから使われています。ほかにも、やけどをした際に皮膚が赤くはれるのを防ぐ効果、収斂作用と抗菌作用でしもやけを抑える効果、腸管運動を抑える下痢止め作用などがあります。

ビタミン豊富な柿の葉茶

 また、柿の葉にもビタミンCが豊富。ビタミンKやB類も多く含まれていますし、血管を強化する作用や止血作用があります。これからの季節、ビタミンC補給に柿の葉茶はおすすめです。

柿の葉茶の作り方

 5〜6月頃の若葉、もしくはビタミンCが豊富になる6〜10月の葉を採取して、粗く刻み日干しにします。若葉以外はアクが強いので、細かく刻んで、2〜3分蒸して、両手できつく絞ってアクを除いてから天気の良い日に日陰で乾燥させます。蒸すと甘味が増します。

 飲み方は、15〜20gに熱湯を注いで、15〜20分たってから飲みます。煎じると、より効果があがります。乾燥させて細ぎりにしたカキのヘタ1〜2枚とショウガを加えて熱湯を注ぎ3分ほど蒸らしてから飲むとしゃっくりが止まるそうです。あるいは、ヘタ10個ほどを一合の水で煎じたものを飲んでもよいようです。でも、飲みすぎるとお腹を壊したり便秘がちになりますので、注意してください。

柿の葉茶の成分

柿の葉は、レモンの10〜20倍、ほうれん草の10倍ものビタミンCを含むとされています。野菜に含まれているビタミンCは熱に弱く、加熱によって大半が壊れてしまいますが、柿の葉のビタミンCは、ビタミンCになる前の「プロビタミンC」という形で含まれていて、熱に強く、お茶にして飲んでもほとんど壊れず体内に吸収されます。

 カルシウムも含まれていて、ノンカフェインなので寝る前に飲んでも、お子さんでも気にせず飲めます。柿の葉茶は1煎と2煎にビタミンCと風味が出ます。3〜5煎ではビタミンP(ルチン、コリン)が溶けだしてくるので、5煎目まで、出がらしではありません。

 有効な成分がたくさんある柿。どんどん食べてくださいね。

---2001.11.5 (c) 2001 by Mica Okamoto ---


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