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[No.032 シックハウスの次はシックスクール]

 生活のなかの身近な化学物質が原因でさまざまな症状が起こる化学物質過敏 症について以前書いた(バックナンバーNO.24「イヤな現代病、シックハウス症候群」参照)。

 化学物質過敏症のなかでも、家のなかで起こるシックハウス症候群は、あち こちで問題とされ、認知度も高まってきた。厚生省も研究班を作り、ホルムア ルデヒドやトルエンなどのいくつかの化学物質の基準値を設定し規制を始める。 その規制をどのように適用するかを疑問に思いながらも、これで少しはマシに なるといいなと思っていたところ、次の大きな問題があることを知った。

 先日、ある取材で北里大学の石川哲教授に会った。石川先生は化学物質過敏 症を何十年も前から研究しており、警告を出し続けてきた、この分野では日本 の第一人者である。厚生省の研究班班長も務め、簡易診断法や基準値など国の ガイドラインの指揮を執った人でもある。

  「シックハウスについての研究や規制などスタートし始め、このまま続けてい けば、法案などが整備されていくだろう。欧米には何十年も劣るけれど、とに かくスタートラインにこぎつけた。しかし、次にはシックスクールというもっ と大変な問題がある」

 シックスクールとは、学校で使われている建材や塗料、殺虫剤などの化学物 質によって起こる諸症状のことである。症例は、頭痛、吐き気、皮膚のかゆみ、 近視、やる気のなさ、落ち着きのなさなどシックハウスと同様で、今問題とさ れている”キレる”子や注意欠陥多動症にも関係があるのではないかといわれ ている。既に欧米ではシックスクールについて子どもたちだけでなく教師の症 状についての論文や研究まで報告されているというが、日本には皆無に等しい。

   「孫の運動会に行ったとき、広い運動場に草1本も生えてないというのは明 らか不自然。除草剤や殺虫剤などを地面にまいて、そこで子どもたちが寝転ん だり、駆けずり回ったりしたら、体調がおかしくなってもしょうがない」

 学校の建材や薬剤を変更したりするのは、できるところから始めようという わけにはいかない。公立校なら全国で統一して一斉にやらなければならない。 そうなると文部省も本腰を入れないといけないし、予算も莫大なものになるだ ろう。どのような形で実現できるのか全く想像できない。

   「毛虫やダニは昔からいるんだから少しくらいいたっていい。清潔志向や徹 底主義の日本人の気質が、問題を大きくしてしまったんじゃないかな。常に真 っ白にしたりピカピカにするには化学物質のお世話になることになる。使って いたら汚れるし、虫がそばにいるのは自然なことなんだから、そういう普通の 思考で生活してほしい」と石川先生は言う。

 とりあえず今、生きてはいるけれど、自然に生活したり、自然に生きていく ことを見失っている人が多いのではと思う。

---2000.10.9 (c) 2000 by Mica Okamoto ---

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