[No.020:腸年齢の若さを保つ]
最近腸年齢が老けこんでいる人が増えています。老け込んだ腸とは、悪玉菌が多い腸のこと。あなたの腸年齢はどれくらいでしょうか。
■腸内細菌の状態でわかる健康度
腸の中にはビフィズス菌に代表される善玉菌とウェルシュ菌に代表される悪玉菌がいて、それぞれの集団が腸内細菌叢と呼ばれる勢力となっています。乳児の便はビフィズス菌が95%を占めるのに対し、60歳くらいになるとビフィズス菌はたったの1%以下になり、ほとんどがウェルシュ菌になっています。
しかし、高齢者に見られる腸内細菌叢が、最近は若い人にも増えています。排便が週に2回程度しかなく、便の色が黒く、量も少ない、こんな人は腸年齢が20〜30歳は老けています。
腸に便がたまると悪玉菌が増え、腐敗が進み、さまざまな有害物質が作られます。便秘は腸の老化を意味し、肌荒れや頭痛、大腸ガンまで引き起こします。また、腸内の有害物質は悪臭がひじょうにきつく、脂溶性なので血液にのって全身を巡り、体臭や口臭の原因にもなります。
■食物繊維をとって腸内を大掃除
昔の日本食はとても食物繊維の多い食事でした。食の欧米化が進んだ最近の食事は、1950年頃に比べると、食物繊維の摂取は半減しています。厚生省が定めた1日当たりの摂取量は20〜25g。例えば、朝食抜きで昼はファーストフード、夜は肉中心の外食だと、食物繊維の摂取量はたったの5gです。
食物繊維は、以前は消化吸収されないカスだと思われていましたが、今では第6の栄養素とまでいわれ、十分な役割を果たしています。便のカサを増やして腸のぜん動運動を活発にし、スムーズに排便をもたらし、便が腸にとどまる時間を短縮します。また、発ガン物質や老化物質、環境ホルモンなどの有害物質を吸着して、体外に出す作用もあります。
毎日の食事でとれる食物繊維としては
・さつまいも1本・・・3g
・こんにゃく1枚・・・4.4g
・ブロッコリー1束・・6.2g
他に海藻類、きのこ、大豆、野菜にも含まれていますので、さまざまなものから摂りましょう。
便秘の人が大黄、センナ、アロエなどの便秘薬を常用すると、腸内が真っ黒になる「大腸メラノーシス」になり、薬なしでは排便が困難になります。まず便秘薬を減らし、食物繊維をたくさん摂りましょう。またオリーブオイルも効果があります。
食物繊維は、大腸ガンだけでなく、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防にも効果があります。食物で不足気味なら、サプリメントなどで補給するのもいいでしょう。
さつまいもを主食にしている沖縄県のある地域では、100歳以上の高齢者がたくさんいます。長生きは腸年齢の若さを保つ食物繊維のおかげ。腸は健康のバロメーターといわれます。日頃から食物繊維を摂るように心がけましょう。
---2000.5.27 (c) 2000 by Mica Okamoto ---
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