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[No.027:おいしくて健康効果のある米油]


 お米から油がとれるのは御存じでしょうか?米からとった米油は、おいしくて、さまざまな健康効果をもたらします。

■米油とは

 白いお米から油がとれるのかと思いますが、米油の原料は玄米を削って精白米にするときにできる米糠です。米糠は、玄米の表層部分や胚芽で、油を20%も含んでいます。米糠には精白米にはないビタミンやミネラルがたくさん含まれており、油に溶けやすい成分も少なくありません。ですから、米糠を搾って米油には、玄米が持つ健康パワーが凝縮されています。

 それに、おいしさも保証済み。せんべいやあられの香ばしさを出しているのは実は米油です。それを利用しているのが、ポテトチップス。あのカラッとしたおいしさは、米油のおかげなのです。

■酸化されにくく、汚れにくい

 揚げ物をしたときに、調理する人は油のにおいで胸がいっぱいになったり、天ぷらを作った人は自分で食べる気がしなくなったりします。これは、加熱で油酔い物質が発生するのが原因です。米油は、油酔い物質の発生が他の油に比べて、大変少ないのです。180度で3時間加熱したときに発生する油酔い物質を測定したところ、米油から発生する油酔い物質の量は、菜種油の3分の1、大豆油の2分の1でした。

 また、米油は酸化されにくく、汚れにくい性質をもっています。他の油だと、1度使っただけでも、酸化して劣化しますが、米油には酸化されて劣化しやすい高度不飽和脂肪酸の割合が少ないため、酸化される割合がひじょうに低いのです。

 今ではオリーブ油が主流のイタリアでも、米油は注目されています。オリーブ油は、単価不飽和脂肪酸を多く含む油で、熱に強くリノール酸を多く含む油などに比べて、酸化されにくい油といわれています。酸化されにくいといわれるオリーブ油よりも、米油はさらに酸化されにくいため、どんな調理にでも安定して幅広く使えるのです。

■コレステロールを下げる

 以前リノ−ル酸はコレステロールを下げるともてはやされましたが、最近はリノール酸は悪玉コレステロールとともに善玉コレステロールも下げてしまうので、αリノレン酸のほうがいいとされています。

 コレステロールを下げる効果としては、食用油のなかで米油が最も高いことがわかっています。血清中のコレステロール値の変動の実験でも、コーン油や菜種油よりも悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを低下させました。その理由は、悪玉コレステロールを下げる植物ステロールの量が抜群に多いからなのです。

 植物ステロールは、コレステロールとよく似た物質で、コレステロールが小腸で吸収されるのを抑える性質があります。大豆油の植物ステロールは、コレステロールを下げるマーガリンに配合されて海外で商品化されています。しかし、米油は、大豆油の6倍もの植物ステロールが含まれています。

 その薬効は認められており、高脂血症の治療薬γオリザノールや抗ガン作用のトコトリエノールは米油特有の成分です。

 米油は米糠油や玄米油などという商品名で販売されています。値段は高めですが、おいしさと健康効果を考えれば、高いとはいえないかもしれません。

参考:日経ヘルス 2000.7月号                         

---2000.7.15 (c) 2000 by Mica Okamoto ---

 

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