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[No.035:朝食抜きで健康になれる?!]


 「1日の活動の源である朝食はしっかり取る」というのが、今まで広く一般にいわれてきました。朝食を抜くと、元気が出ないし、昼のドカ食いを助長し、かえって太るというのが定説化していました。しかし、最近、「1日2食で十分」という朝食抜きの効用を唱える医師が出てきました。

■なぜ朝食が必要か

 朝食は1日の始めのエネルギー源として重視され、日本人では信じて疑わない人がほとんどです。その背景には、朝食を抜くと血糖値が低下して、脳にエネルギー源のブドウ糖がいきわたらず、思考能力や身体の活動に影響が出るという考え方があります。小中学校の保健指導では、朝食を食べない子は、午前中、血糖値が低く、ボーっとしていて、学業に身が入らないので、朝食を食べるように親に促すのが一般化しています。朝食を食べない子は、成績が悪くなるといわんばかりの雰囲気です。

 朝食重要説が定着したのは、ある論文がきっかけでした。当時、自治医科大学の香川靖雄教授が「朝食抜きの学生ほど成績が悪い」という内容の論文です。これによって、朝食信仰が定着しました。

 また、脳の研究者には朝食を重要視する人が多いのも事実です。一定以上の血糖値を維持しないと脳がブドウ糖を摂取しにくい、と指摘する専門家も多いようです。

■朝食を抜いて1日2食でも大丈夫

 一方、浜松医科大の甲田勝康教授は、朝食の有無が与える影響について検証するために行った実験では、朝食抜きでも低血糖にならなかったうえに、昼食直前の血糖値は朝食を食べた時とほとんど差がありませんでした。血中のブドウ糖が不足しても、体脂肪からの合成でまかなえるというわけです。

 朝食抜きを主張する医師は、「栄養過剰な現代では、朝食をとることよりも体重管理のほうが重要。デスクワークなど、運動不足の心配がある人は、朝食を抜いて、1日の摂取カロリーを調整するほうがいい」といいます。

 食後の活動量が最も少ない夕食を減らすのが理想ですが、接待や1日のストレス解消として夕食を減らせない人が多いのが現実なので、それなら朝食を減らせばいいという考え方です。

 朝食を抜いて1日400〜500kcalを減らせば、1ヶ月で2〜3kgの体重を減らすのも可能というわけです。

 また、朝は排泄の時間帯とし、前日の食べ物をすべて排泄して、午前中にお腹を掃除しておくことが健康につながるという意見もあります。排泄前に食事をすると、消化活動が本格化して排泄が中途半端になるので、朝は排泄のため水やお茶などの水分のみでいいという考えです。

■どちらが正しい?

 専門家でも大きく意見が分かれており、どちらが正しいかは判断できません。脳についての研究は途上のため、朝食抜きによる血糖値の影響がどうなのか、まだはっきりしていないようです。

 ダイエットだけに関して言えば、朝食抜きは摂取カロリーが減るので効果は見込めそう。でも、朝食を抜いたせいで、午前中ひどく疲れたり、昼食や夕食にドカ食いしてしまうタイプの人では逆効果。朝食抜きにトライしてみて馴染めるかどうかが、ダイエット効果についての分かれ目のようです。

 もちろん内臓に病気がある人や糖尿病などで食事療法を行っている人は、自己流で行うのは避けたほうがいいでしょう。

 1日3食で太らず、病気もないのが一番ですが、ダイエットや体質改善に効果がありそうといわれれば、トライしてみたくなるのもわかります。自分の体の状態と相談してからにしたいものです。

参考:日経新聞8.19

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