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[No.040:高コレステロールの危険性は]


 生活習慣病といわれるものにはいろいろありますが、最近、日本では高脂血症が増えています。

■年々増える高脂血症

 高脂血症は血液の中の脂肪の濃度が高い状態のことです。健康診断などで測定されるコレステロール値は、220mg/dl以上が高コレステロール血症、200〜220mg/dl未満を境界域としています。全国に240mg/dlを超える高コレステロール血症は約1200万人、220mg/dlを超える人は約2300万人ほどいるといわれています。80年と90年の高コレステロール血症の頻度を比較すると、男女とも2倍になっています。

 特に、女性は男性の1.5倍と増加は激しく、50歳以上だけを比べると男性の2倍以上です。アメリカでは1960年以降、コレステロールを下げる啓蒙活動が盛んになり、今では血清コレステロール値が下がっています。1960年以降コレステロール値が上がり続けている日本では、90年に日本人女性のほうがアメリカ女性よりも高くなりました。女性は閉経後のホルモンの低下により、コレステロール値が高くなりやすいからです。

 厚生省は98年度から通院者率調査に高脂血症を加え、通院率を調査したところ、35〜44歳では1.7人なのに対し、45〜54歳になると23.4人、55〜64歳では52.4人、65〜74歳では70人と年齢が高くなるにつれて増加しています。

■高コレステロールは心臓病の要因に直結しない

 若い間に高脂血症が続くと血がドロドロになり、動脈硬化を起こしやすくなります。特に、大動脈、冠状動脈、脳動脈などの血管の通りを狭くする粥状動脈硬化は危険で、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などにつながります。

 しかし、粥状動脈硬化の要因は、高脂血症だけでなく、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などさまざまなものがあり、いくつかの要因が重なって起こるといわれるようになりました。そのため、高コレステロールを重要視しなくてもいい ということもわかってきました。

 日本人の虚血性心臓病患者は欧米の5分の1以下。また、日本とギリシャではコレステロール値と心臓病死亡率の間に相関関係はなく、低コレステロールの人と高コレステロールの人で心臓病の死亡率には差がありませんでした。しかし、アメリカや北欧の高コレステロールの人は、低コレステロールの人の2倍も脂肪率が高かったという調査結果があります。

 これは、日本人やギリシャ人が魚介類を多く食べているせいで、αーリノレン酸系の脂肪酸を十分に摂っていることが原因です。コレステロール値が190mg/dlの人で比べると、アメリカ・北欧での心臓病死亡率は、日本・ギリシャの4倍も高かったのです。

■低脂肪だと心臓病のリスクが増える

 高脂血症だと診断されると、脂肪を摂るのを極端に控える人も出てきます。
しかし、脂肪を減らし過ぎると新たなリスクが生まれます。

   血液中のコレステロールとリン脂質は細胞膜の素材となり、中性脂肪と脂肪酸はエネルギー源として必要なものです。低脂肪の料理ばかり食べていると、血清コレステロールの総量を減らしてしまうことになります。そうすると、心臓病から身を守る善玉コレステロールを減らしてしまうことにもなり、心臓病への危険が高まります。

 生活習慣病の予防は食生活と適度な運動です。日本人なら魚介類や野菜をたくさん食べバランスのとれた食生活をしていれば、コレステロール値を異常に気にすることも無いのではないかと思います。

参考:食品と暮らしの安全
---2000.10.14 (c) 2000 by Mica Okamoto ---

 

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