[No.051:インフルエンザの治療]
毎年、この時期になるとインフルエンザが猛威をふるいます。しかし、昨年から定着し始めたワクチン、また、抗インフルエンザウイルス剤が登場し、インフルエンザも治療ができるようになってきました。
■風邪とインフルエンザ
のどが痛くなり、咳や鼻水が出ると「風邪かもしれない。でも、寝ればよくなる」と思い、病院に行かずに家で寝ていたが、いっこうによくならず、実はインフルエンザだった・・・といったことがよくあります。
風邪とインフルエンザを混同している人が多いようですが、原因、症状、合併症や流行の規模も全く違います。急に高熱が出て、頭痛、筋肉痛や関節痛などの全身症状に見舞われるのがインフルエンザの特徴です。
風邪は数日で軽くなりますが、インフルエンザは悪寒や高熱など1週間以上も続くことがあります。また、インフルエンザでは、肺炎や気管支炎などの合併症を起こしやすく、合併症を起こすと死に至る危険も出てきます。高齢者に多いのが肺炎で、インフルエンザにかかった人の4分の1の人が肺炎にかかるといわれています。
また、最近は1〜4歳の幼児に脳炎や脳症の合併症を起こすことも問題になっています。幼児がインフルエンザにかかってから、脳症などの合併症を起こすまでは当日、もしくは翌日と極めて短い期間なので、見極めが重要です。
■インフルエンザにかかったら
今までのインフルエンザの治療は、熱を下げたり、鼻水や咳を抑えたりといった対症療法や安静に寝ることが中心でした。しかし、抗インフルエンザウイルス剤が登場し、インフルエンザウイルスの増殖を抑える治療ができるようになりました。
抗インフルエンザウイルス剤は、感染したインフルエンザウイルスの増殖を抑制することで、インフルエンザウイルス感染に伴う、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの症状をやわらげます。また、インフルエンザウイルスがまき散らされることも減り、人に移すことも減ります。
インフルエンザウイルスは、感染後急速に増殖し、2〜3日後にはピークに達するため、治療薬は、ウイルス増殖ピークになる、発病2日以内に飲むのが重要です。
インフルエンザのウイルスのうち、A香港型は30年前、Aソ連型は20年前に登場したものですが、約10年〜30年の周期で新しいウイルスが登場するため、そろそろ新しいA型インフルエンザウイルスが登場する時期でもあります。
インフルエンザにかかったら家でじっと寝ておくしかないというのは一昔前の話。「インフルエンザにかかったかな」と思ったら、すぐに病院で診てもらい治療薬を処方してもらえば、ひどくならずに快復に向かうことができるようになったのです。
※風邪とインフルエンザの違い、インフルエンザの予防などについては、こち
らも参考にしてください。
http://fine-club.com/health/index.html
※インフルエンザについての情報はこちらもチェック!「風邪とインフルエンザ」
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