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[No.054:アレルギーを引き起こす遺伝子組み換え食品]


 遺伝子組み換え食物は怖いと思われていますが、具体的にどのような弊害があるかはまだ未知のものが多いのが実状です。しかし、なかにはアレルギーを 誘発することがわかっているものがあります。

■スターリンクでアレルギーを誘発

 「スターリンク」という名前を聞いたことがありますか?「スターリンク」とは、欧州バイオテクノロジー大手のアベンティス社が開発した殺虫性のトウモロコシのこと。つまり、害虫に強いトウモロコシです。

 この「スターリンク」にはBT菌の毒素産出遺伝子が用いられていますが、この遺伝子がつくり出す殺虫タンパクには、「Cry9C」という他の殺虫性作物にはないタンパク質が含まれます。

 BT毒素は、日常の生活では自然に摂取できないタンパク質です。このようなタンパク質が、アレルギーを引き起こすかどうかを確実に見極めるには、人体実験や動物実験をするしかわかりません。しかし、そんなことはできないため他のいくつかの方法で判断しています。

「Cry9C」は、その判断法のなかの2つで問題となっています。ひとつは、胃液や腸液で分解されるような酸や酵素による分解性があるかどうか、もうひとつは、熱に対して安定しているか。「Cry9C」は、酸や酵素であまり分解されず、熱に強く安定性が高いため、アレルゲンとして作用してしまうとされています。

■アメリカでの被害報告

 EPA(アメリカ環境保護局)に提出された資料では、スターリンクを食べさせたネズミが、心臓の表面の出血、脂肪組織の縮小の異常、体重が増加しない、脱毛、活動の低下などを起こしており、安全とはいえないと結論づけています。

 また、FDA(アメリカ食品医薬品局)は、44人がコーンチップでアレルギーとみられる不調を訴えた事例を報告しています。

 このような報告をもとに、EPA(アメリカ環境保護局)は、「Cry9C」がアレルギーを引き起こす可能性が高いとして、食品として承認しておらず、今後も食品として認める可能性はほとんどないとしています。

■日本では知らない間に出回っている!

 「スターリンク」は日本では食品としても、飼料としても認められていません。しかし、昨年10月、市民団体「遺伝子組み換えいらないキャンペーン」はトウモロコシを乾燥させ粉状にした「コーンミール」という製品からスターリンクを見つけたと発表しました。「コーンミール」は小麦粉と混ぜてお菓子やパンの材料として使われているものです。

 現在の輸入のシステムでは、厚生省や農水省が安全性を確認するしないに関わらず、また、飼料か食品に関係なく、アメリカで収穫された作物は、チェックされずに輸入されているのが現状です。これはアメリカ国内の生産や流通の段階で、ほかの品種と分別できていないうえに、収穫後に混ぜられて日本に輸入されてしまっているからです。すでに、国内には「スターリンク」がどれくらい入ってきているかわからない状態で、でんぷんやシロップなど加工食品として、かなりの量が消費されているとみられています。

 スターリンクの検査をする機関はありますが、数が少なくすべてを検査できる体制が整っていません。また、遺伝子情報は開発企業の知的所有権に関わるため、公開されておらず、思うように検査が進まないこと、また、検査結果には守秘義務があり、公表されないことから、消費者には本当のことは全く伝わってこない現状があります。

 遺伝子組み換え食品の表示開始はこの春から始まる予定です。しかし、このままだと、組み換え作物を選びたくないという人に、役立つ表示ができるのか、とても心配です。

---2001.2.10 (c) 2001 by Mica Okamoto ---

 

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