I'm fine ! といつでも言える暮らしのために役立つ情報がいっぱいです。    
Home Health Supplement Child DietBeauty  
Healthトップ>[Pickup News]>No.062  
 


[No.062: 増える乳ガン]


 今、世界規模で急激に増えているといわれる乳ガン。乳ガンの患者は、今後も増えると予測されています。今回は、乳ガンについてとりあげてみました。

■こんなに増えている?!

 日本人の乳ガン患者数は10年前に比べ、約2倍に増え、毎年約2万人の女性が乳ガンにかかっています。女性のガンのなかでトップの胃ガンを追い越す勢いで、神奈川県ではすでに乳ガンがトップに。

 97年世界保健機構WHOの発表によると、96年に新たに発病したのが91万人、そして38万人が亡くなっており、その半数が先進国でした。

 乳ガンの発症が最も多い年齢は、40才〜50才代で、次いで多いのは、60才代と閉経後の発症率が高くなっています。では、閉経前は乳ガンになりにくいかというと、そうともいえません。国立がんセンターの統計では、35才以下の乳ガンは全体の約7%。欧米では高齢者に多いのですが、日本ではすべての年齢層で増えています。

■予防するには?

 乳ガンが増えている原因のひとつに、初産が遅くなったり、出産回数が減ったことがあげられます。その理由は、乳ガンは女性ホルモンのエストロゲンの影響を大きく受けるからです。

 エストロゲンは、乳腺の細胞分裂を活発にして乳腺を発達させ、母乳を出す準備をします。ガン細胞は、主に乳腺にできるため、乳腺の細胞分裂が活発になるほど、細胞が異常を起こす可能性も高くなってしまいます。つまり、生理期間が長ければ長いほど、女性ホルモンのエストロゲンにさらされる期間が長くなり、リスクが高くなるのです。11才以下で早く初潮を迎えた人や55才以上になってからの遅く閉経した人は、乳ガンになりやすいというデータが、それを裏付けています。

 妊娠・出産の間は生理が起こらないため、エストロゲンの影響がなくなります。そのうえ、乳腺でつくられた母乳を出すことで、乳腺細胞は体外へ出ていき、どんどん新しいものにつくりかえられます。ですから、出産回数が多く、母乳を出す機会が多いほど、乳ガンのリスクは少なくなるといえます。

 しかし、乳ガンの予防のために、若いとき何人も子どもを産もう、といわれても現実には困ります。そこで重要なことは、他の要因を減らすことです。

 まず、食生活があげられます。高脂肪・高カロリー食は、ガン細胞の働きを活発にし、女性ホルモンの濃度に影響を与えます。さらに肥満になると、閉経後でもエストロゲンの濃度が減らないため、肥満の人は乳ガンにかかりやすくなります。高脂肪・高カロリー食はできるだけ控えて、肥満にならないようにしましょう。また、タバコは、ガンを発生しやすくする原因になるのはいうまでもありません。

■しこりを発見したら、すぐに乳腺外来へ

 乳ガンになりやすい要因のなかに遺伝があります。とくに、母親や姉妹に乳ガンの人がいると、なる確立が高いといわれています。遺伝があるなら防ぎようがない、と思われるかもしれませんが、乳ガンが見つかっても、早期発見、早期治療であれば、完治する可能性は高いのです。

 乳ガンの症状で最も多いのは、乳房のしこりです。乳ガンの場合、2cm以下の大きさのしこりを早期に発見すれば、90%以上が完治する可能性が高いといわれています。

 ですから、日頃から自分の乳房をチェックすることが大切です。入浴前には鏡でよく見て、そして、実際に触ってチェックしましょう。いつもの自分の乳房の状態をよく知っていれば、異変には気づきやすいものです。実際に患者の8割以上が自分でしこりを見つけています。また、夫婦関係がいいほど、見つかりやすいといわれます。パートナーにも協力してもらうのもいいでしょう。

 もし、しこりが見つかったら病院へ。しこりイコール乳ガンとは限りません。乳房のしこりの95%は良性だというデータもあるほどなので、早めに検査を。診察は、乳腺を専門とする乳腺外来を訪れましょう。乳ガンの専門医は、産婦人科や婦人科ではありません。

 最も悪いパターンは、乳房にしこりを見つけ、「ひょっとしたら乳ガン?」とショックを受け、「このまま、しこりが消えてしまうかも」と願いながら、病院に行くのを渋っているうちに、手遅れになってしまうことです。

 乳ガンは、胃ガンや子宮ガンなどのガンと違い、しこりとして感じることができるので、自分で早期に発見できるガンです。日頃からチェックを心がけましょう。

---2001.4.28 (c) 2001 by Mica Okamoto ---

 

Healthトップページ