[No.067: ニキビができない健康な肌作り]

　梅雨に入り、雨が多いことに加えて、むしむしした日が続きます。汗ばむ季節になると、皮脂の分泌量が増えて、ニキビや吹き出物ができやすくなります。今回は、ニキビについてとりあげてみました。

■皮脂分泌のアンバランスが原因

　ニキビは20歳を越すと吹き出物と呼び方が変わりますが、何歳になってもニキビはニキビ。吹き出物というのはニキビも含めた肌に起こるいろいろな症状をまとめて呼ぶ、いわゆる俗語です。

　思春期のころにニキビができやすいのは、体の成長の過程でのホルモンの分泌の影響で、皮脂分泌が不安定になるため。急に皮脂がたくさん分泌され、それがうまく毛穴の外に出せずに、ニキビになってしまうのです。

　大人のニキビは、皮脂過剰以外の原因も多く、別ものと考えられがちですが、できる過程は同じ。皮脂の分泌量が最も多くなるのは20代なので、大人でニキビに悩まされる人も多いはずです。

　ニキビの原因の一つに、性ホルモンのアンバランスがあります。ふつう、女性の場合、女性ホルモンと男性ホルモンがバランスよく分泌されていますが、女性ホルモンの分泌が正常なら、皮膚の新陳代謝やうるおいなどが高まって、ニキビができることは稀です。

　しかし、なんらかの原因で男性ホルモンの働きが活発になると、皮脂の分泌量が増え、肌がべたつき、汚れも残りやすくなります。そうなると、毛穴に残った皮脂に細菌が入り込み、炎症を起こしてニキビになってしまうのです。

　男性の場合は、女性よりも男性ホルモンの働きが強いので、皮脂量は多め。そのため、ニキビができやすいのです。

　ホルモンバランスが崩れる原因は、睡眠不足や月経周期、疲労、ストレスなどが大きいと考えられます。ストレスや疲労は、自律神経系に影響を及ぼし緊張状態を引き起こすため、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、睡眠不足は、肌に作用するホルモンがきちんと分泌されず、肌荒れにつながります。

　肌の健康を守るためには、生活習慣の乱れを整え、ストレスや疲労をためないようにすることが大切です。

■正しい洗顔で毛穴の汚れをとる

　ニキビを防ぐには、皮脂や汚れをきちんと落とすことが重要です。意外に、まちがった洗顔がニキビの要因になっていることもあります。

　洗顔の回数を増やせば、きれいになると思いがちですが、洗いすぎると、肌を乾燥から守ろうと、皮脂がますます出る結果になります。

　基本は朝と夜１回ずつと、皮脂分泌量がピークに達する午後３時くらいの計３回。洗うときは、手で強くこすらず、やさしく泡で包むようにして洗いましょう。洗顔できないときは、化粧水を含ませたコットンを持ち歩き、ベタベタしたら拭くのも効果があります。

　洗顔後は、皮脂が多いからといって何もつけないのはＮＧ。普通は化粧水をたっぷりつければ十分です。毛穴がつまるのは角質が固くなるせいなので、水分補給して保湿力を高め、角質を柔らかくすることが大切です。乳液はカサつきが気になるところだけにしましょう。

　ニキビが治るまではファンデーションは使わないのが基本です。特に肌への密着力が高いタイプは、毛穴に入り込んでふさいでしまうので、皮脂の排出も難しくなります。油分の高いタイプは避け、ノンオイルやオイルコントロールパウダー配合、色つきおしろいなどを上手に使いましょう。

■食事に気をつけて

　肌を健康な状態にするには、食生活が重要です。
　まず、皮脂分泌を高める食べ物、動物性脂肪を含む肉類やバター、甘いもの、スパイシーな刺激物はできるだけ控えましょう。

　そして、過剰脂質を抑制するビタミンＢ2と、皮膚の働きを助けるＢ6を十分にとりましょう。Ｂ2を多く含むのは、レバーやほうれん草、チーズなど。Ｂ2が足りないと口内炎や疲れ目の症状が出たりします。Ｂ6を含む食べ物は、トウモロコシ、魚、インゲン豆などで、不足すると皮膚炎や口内炎、アレルギー症状が現れたりします。どちらも皮膚や粘膜に関係する栄養素なので、肌トラブルに悩む人は気をつけてとるようにしましょう。

　また、角質の代謝をよくするビタミンＡやカロチンを含む、にんじんやかぼちゃ、パセリなどの緑黄色野菜、ニキビ表面の酸化を抑制したり新陳代謝を高めるアボガドや卵黄に多いビタミンＥと果物や野菜に多いビタミンＣ、ごぼうや海藻類など便秘を解消する食物繊維も十分にとり、体内に老廃物を残さないようにしましょう。

▼「正しい洗顔」については、こちらをご覧下さい。

---2001.6.16　(c) 2001 by Mica Okamoto ---