[No.068: ウーロン茶の健康効果]
お茶には人の体に影響を与えるさまざまな成分が含まれています。ダイエットや美肌などの多くの効果をもたらしてくれることもわかっています。今回は、ウーロン茶の健康効果についてご紹介したいと思います。
■おいしさと健康の元、ウーロン茶ポリフェノール
お茶は種類によって製法が違います。
緑茶は茶葉中に含まれる酸化酵素を、初めに加熱処理によって不活性化し、その後乾燥させたものです。一方、紅茶やウーロン茶は茶葉中に含まれる酸化酵素の働きで、茶葉を発酵(微生物は関与せず、正しくは酸化)させた後、乾燥したものです。
これらの発酵茶は、発酵時に香気成分などを生成するため、それぞれ独特の風味を持ち、世界で飲用される茶の大部分を占めています。紅茶は完全発酵ですが、ウーロン茶は半発酵させる製法のため、ウーロン茶ポリフェノールを多く含み、これがおいしさの成分であると同時に、健康効果も発揮するということがわかってきました。
ポリフェノールとは、ひとつの分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有している成分の総称で、赤ワインポリフェノールやカカオポリフェノールなど、さまざまな種類があり、その効果も異なります。
お茶の葉のポリフェノールは、他の植物に含まれるポリフェノールに比べてひじょうに小さい構造のものが多種存在し、これが特有の作用をしていると考えられています。特に、昔からのお茶の健康効能が、ポリフェノールは、タンニンと呼ばれてきた一群によるものだったということが分かってきました。
その健康効果は、中性脂肪の低下、活性酸素の消去、動脈硬化予防作用、抗肥満効果などがあげられます。
■活性酸素を減らす
活性酸素による害には、体内の正常な脂質を酸化させ、過酸化脂質に変えてしまい、その結果、動脈硬化や糖尿病などの成人病を引き起こしたり、肌のシミやシワを作ったりします。
ウーロン茶ポリフェノールには、活性酸素を消去してくれるSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)の働きを高める効果があることが臨床研究により明かにされています。その結果、シミ、シワなどの皮膚の老化防止に有効であり、また、肝臓などの働きもアップさせることにも効果があります。
また、試験管に人の血液から抽出したLDLを入れて実験したところ、ウーロン茶ポリフェノールを加えると明らかにLDLが酸化するまでの時間が遅くなったという結果から、ウーロン茶ポリフェノールが、悪玉コレステロールのLDLの酸化を抑制する働きがあることがわかりました。
また、別の実験では、総コレステロール量と中性脂肪量も明らかな減少が見られました。つまり、ウーロン茶を継続して飲むと、動脈効果をはじめとした生活習慣病の予防に役立つことにもなります。
■ダイエットやストレスにも有効
ウーロン茶はエネルギー代謝を高める作用もあります。
ウーロン茶と水を飲み、呼気ガスを測り消費エネルギーを調べたところ、ウーロン茶の場合、水や緑茶に比べて、エネルギー消費の増大が起こりました。つまりウーロン茶を飲むだけで、基礎代謝がアップし、肥満予防の効果があるるのです。
また、ウーロン茶を飲むと、自律神経の働きを亢進し、緊張が和らぎ、イライラや敵意などのメンタルストレスにも抵抗力を持つ効果があることがわかっています。
いろいろな健康効果を発揮するウーロン茶。これから暑い季節は飲み物を飲む機会も増えます。ウーロン茶なら、水分補給と同時に、肥満防止やストレス解消、生活習慣病の予防など、さまざまな健康効果も期待できるので、ホッと一息つく時にはおすすめです。
---2001.6.23 (c) 2001 by Mica Okamoto ---
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