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[No.069: 上手に汗をかこう!]


 「あまり汗をかかないのよ」という女性が増えています。顔にダラダラと流れる汗や汗で下着がはりつくのも嫌ですが、汗をかかないのは健康に悪いもの。夏は上手に汗をかいて、体調を整えましょう。

■汗をかくのは体温調整のため

 暑いときや運動したときに汗をかくのは、体温調整のため。発汗を促して、汗の形で体内の水分を蒸発させて、熱を逃がして体温を下げます。

 発汗を調節するのは自律神経(交感神経)で、皮膚や体内の温度についての情報が脳に伝わり、体が熱くなりすぎると、汗を出すように指令が出されます。

■汗腺のしくみの違い

 汗を分泌する汗腺は日本人の場合、平均350万個で、そのうち実際に汗を出す能動汗腺は220万個ほどといわれています。能動汗腺の数は、2歳半までに、どの程度、暑さにさらされたかで決まってきます。

 熱帯で生まれ育った人の能動汗腺は、寒冷地の人より多く、タイやフィリピンの人だと平均240万個以上ですが、ロシアジンたちは190万個と少ないのです。

 能動汗腺が多いと、汗を多くかくのではありません。熱帯の人たちは汗を少ししかかかなくても、上手に体外に熱を逃がすようなしくみが備わっています。具体的にいうと、血管が広がって皮膚温度を上昇させ、細長い手足は体表面積が広く、熱が逃げやすい体格になっているのです。

 このように熱帯地域に住んでいる人と、寒い地域に住んでいる人、また、普段運動をしている人と、あまり運動をしていない人では、汗のかき方が違います。要するに普段汗をかいているかによって汗のかき方にも優劣があります。

 エアコンにお世話になる回数が増えると、汗もなかなか出にくくなります。小さい頃からエアコンの効いた部屋で暮らしていると、汗腺が鍛えられず、自律神経の調節もうまくできません。汗腺の働きの悪いまま大人になると、体が熱くなりすぎても、体温を上手に逃がすことができずに、熱中症になりやすい体質になってしまう恐れもあります。

■汗の質の違い

 日頃から汗をかきなれている人と汗をかきにくい人では、汗の質が違います。発汗で水分が皮膚の上で蒸発することで、体温調節ができるのですが、ただ汗をかけばいいというわけではありません。たくさんかいたとしても、蒸発しなければ、体の熱を奪ってはくれません。

 普段から汗をかきなれている人は、暑さへの反応も早いため、必要な状況になると、素早く汗をかき、だらだらと大量ではなくしっとりとかきます。

 また、普段汗をかいている人は、塩分の少ない汗をかいているといわれます。これは、体の中のミネラルを無駄に失わないように、体が汗を出す前に塩分を再吸収できるように鍛えられるからです。つまり、体温調節に必要な分だけをかくことができる人は、水分・ミネラルを無駄に失うことがありません。

 一方、汗をかかない人は、汗をかくまでの時間がかかりますが、かき始めると、だらだらと流れる汗をかき、塩分を多く含んだ汗になります。だらだら流れ落ちる汗だと、蒸発しても体温には影響がありません。蒸発できない汗は、体にとって最も重要な水分と汗の中に含まれていた塩分(ミネラル)が奪われるのに、体の熱は奪われないため、百害あって一利なしといえます。

■汗で体に不要なもの体外に出す

 汗をかく皮膚組織は全身の16%を占める立派な臓器です。汗の成分を分析すると、水・塩化ナトリウム・尿酸・アンモニア・アミノ酸・カリウム・尿素を始め、皮脂腺から出てくるコレステロール類・脂肪酸エステル・遊離脂肪酸・乳酸・余分な脂肪、そして重金属である鉛・亜鉛・カドミウム・水銀、食品に含まれている農薬・除虫剤・食品添加物などが検出されています。また、体内にとって毒素である活性酸素も大量に含まれているという研究発表もあります。

 つまり発汗は体内の老廃物や有害物質を排泄する、体の掃除人ともいえます。食品添加物や大気汚染などの有害物質が、知らず知らずにのうちに蓄積されてしまう現代。

 健康のためには、生活習慣を整えて、上手に汗をかきたいもの。暑い季節でも、エアコンばかりに頼らずに、運動をして積極的に汗を流し、上手に汗をかくようにしましょう。

---2001.6.30 (c) 2001 by Mica Okamoto ---

 

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