I'm fine ! といつでも言える暮らしのために役立つ情報がいっぱいです。    
Home Health Supplement Child DietBeauty  
Healthトップ>[Pickup News]>No.071  
 


[No.071: ボツリヌス治療〜ボトックス]


 ボツリヌス菌というと食中毒を連想する人が多いと思います。が、最近、このボツリヌス菌の毒素を使った治療が注目されています。

■けいれんを伴う病気に有効

 ボツリヌス毒素は、筋肉を動かす神経伝達物質アセチルコリンの放出を永久的に阻害します。簡単にいうと、ボツリヌス毒素を注射した場所の運動神経と筋肉の間に作用して、そこの筋肉の緊張を解くのでます。

 現在、日本でボツリヌス毒素を利用した治療で保険の適用になっている病気は「眼瞼(がんけん)けいれん」と「片測顔面けいれん」の2つがあります。

▼眼瞼けいれん

 目の周りの筋肉が意志と関係なくけいれんする病気。まばたきが増え、光がまぶしいという程度から始まり、ひどくなると、筋肉が収縮し続けたままで両目が開かなくなり、失明状態になります。40代から60代に多く、女性が男性の1.5倍にものぼります。

 目の周りに6カ所、両方で12カ所にボツリヌス毒素を注射をすると、3〜4日後から効果が出始めます。3,4ヶ月で再発するため、再度注射の必要があります。

 眼瞼けいれんに用いるボツリヌス毒素は1回の治療あたり30単位程度。A型ボツリヌス毒素のヒトに対する致死量は筋肉注射の場合3,000〜30,000単位と推定されているので、体にはほとんど無害といえます。

 9割以上の人は症状が改善しますが、時には、まぶたが閉じないという副作用が出ることもあります。しかし、ほとんどが自然によくなります。また、この病気は心因性のものもあり、その場合は、ボツリヌス注射の効果が現れないこともあります。

▼片測顔面けいれん

 片方のまぶたのけいれんから始まり、進むと口の周りまでけいれんする病気。ひどい人だと常時けいれんするため外出もままならなくなります。

 原因は、頭蓋内の血管が顔面神経を圧迫するためと考えられます。神経と血管を離す脳外科手術で治せますが、難しい手術のため、顔面神経や聴神経を傷つける恐れがあるため、ボツリヌス治療をすすめる医師が少なくありません。

 ボツリヌス注射は、眼瞼けいれんに比べれば、効果が長続きし、長いと8ヶ月も続く人もいます。

■さまざまな病気に効果が

 ごく微量のボツリヌス毒素が治療に使えるのを発見したのは、アメリカの眼科医スコット。斜視、眼瞼けいれん、顔面けいれんで成功し、89年に米国で薬として認可されました。

 日本では98年から眼瞼けいれん、00年には顔面けいれんに使われていますが、首の一部の筋肉が縮んで斜めに引っ張られるけい性斜頸(けいせいしゃけい)は今年にも認可の見込み。シワ取りの臨床試験も始まりました。

 アメリカでは表情筋をマヒさせてシワを消すシワとり治療「ボトックス」としても注目されています。眉間や目尻の深いシワは、喜怒哀楽を作る表情筋という筋肉が顔に刻みつけているものなので、ほかの薬では消せないだけに、注射をうつだけでシワが消せるとアメリカでは一躍ブームに。

 眉間と目尻に一部分6カ所ほど注射すると、翌日にはシワが目立たなくなり、効果は4〜6ヶ月続くとか。ビバりーヒルズなどでは、1部分300〜500ドルで行われています。

 欧米では、多汗症、片頭痛、緊張性頭痛、脳性小児まひなどの治療にも、使われています。

 日本で使われているボツリヌス毒素は、いずれもアラガン社製品。アラガン社によると、国内で治療を受けた患者は約1万人だそうです。

 アラガン社ではボツリヌス治療ができる病院を電話で紹介しています。(0120-611-094 月〜金 9:00〜17:00)

シワ取り治療「ボトックス」についてはコチラも参考に!

---2001.7.21 (c) 2001 by Mica Okamoto ---

 

Healthトップページ