[No.081: 頭痛持ちの多くは緊張型頭痛]
日常的に頭痛を繰り返す「頭痛持ち」の人は少なくありません。そんな慢性の頭痛の種類にはいろいろありますが、最も多いのが緊張型頭痛です。
■症状
頭痛には、一時的に起こり、すぐに治るものと、慢性的に繰り返し起こるものがあり、慢性的に起こる頭痛には、片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛の3種類があります。片頭痛は慢性頭痛の20%くらいで、緊張型頭痛が最も多いといわれています。
緊張型頭痛の症状は、頭の両側や後頭部に鈍痛が起こり、「頭が締め付けられるようだ」とか「きつい帽子をかぶったような不快感」と表現する人が多く、ほとんどが肩凝りを伴います。また、片頭痛と合わさった症状を持つ人も少なくありません。
痛みはがまんできる程度なので、仕事や趣味に熱中すると、忘れることもできますが、数日から数カ月続くこともあります。性別には関係ありませんが、中高年にやや多いようです。
■原因
緊張型頭痛の原因は、ストレス。仕事や人間関係などの精神的なストレスや悪い姿勢で長時間仕事をするといった身体的なストレスで頭から首、肩にかけての筋肉が緊張して収縮し、血液の流れが悪くなるために起こります。
■予防&対策
最も効果的なのは、筋肉の緊張をほぐすこと。首や肩、腕を回したり曲げたり、全身の血行をよくする体操や、入浴、マッサージが有効です。
同じ姿勢でパソコンを長時間続けると起こる場合が多いので、まず、姿勢に気をつけましょう。うつむきがちだと、首に負担がかかるため、長時間デスクに向かう人は、高めのデスクやひじ掛けつきの椅子を選び、時々姿勢を変えることを心がけましょう。
朝起きてすぐに頭痛が起きる人は、就寝中の姿勢が悪いことが考えられます。頭が高くならないように、低い枕やタオルなどを代わりに使いましょう。
頭痛というと鎮痛薬をすぐに使う人もいますが、緊張型頭痛は比較的効きにくく、毎日使うと、かえって頭痛を起こすこともあります。鎮痛薬は痛みへの対処法なので、やはり根本的な原因を取り除くことが大切です。
しかし、肩こりなどが大きな原因である場合は外用薬や筋弛緩薬が有効ですし、心因性の場合は抗不安薬が効果があります。また、片頭痛との混合型の場合は片頭痛の薬を加える場合もあります。
日本は欧米に比べて、病気の伴う頭痛ばかりが注目され、慢性の頭痛はあまり治療されない現状があります。また、検査してもはっきりした異常が見つからないため、医者が鎮痛薬をわたして終わりと、軽く扱われやすい状態です。
ストレスをためたり、長時間同じ姿勢が続かないよう、日頃から気をつけ、頭痛と上手につきあうようにしましょう。
また、なかなか頭痛が治らない人は、他の病気が隠れていることもあるので、一度、医師の診断を受けた方がいいでしょう。
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