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[No.105:慢性胃炎や胃潰瘍の原因、ピロリ菌]


 一昔前は、慢性胃炎の原因は謎で、ストレスや暴飲暴食が原因などといわれてしました。胃潰瘍の患者は、胃薬(制酸剤)を処方されていただけでした。

 しかし、今は慢性胃炎や胃潰瘍の原因は、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の持続感染だと解明されました。胃潰瘍の9割はピロリ菌が原因とされ、かつては胃潰瘍の原因とされていたストレスや暴飲暴食は、胃粘膜を刺激して、潰瘍を促進する要因だということがわかっています。そして胃潰瘍だとわかると、ピロリ菌がいないか検査し、感染がわかれば除菌するのが、一般的な治療となりました。

 今までのように胃酸を抑える薬を飲むと一時的に潰瘍は治りますが、薬を止めるとその8割は再発してしまいます。ただし、ピロリ菌を除菌すれば、再発率は5%にまで落ちるといわれます。

 では、ピロリ菌がどこから感染するのかというと、幼児期に汚染された食べ物や水、唾液などからと考えられています。「なぜ上下水道が整備された日本で?」と思いますが、日本では若い人の感染率は低く、年配者に多いのです。また、家族間での感染もひじょうに稀だといわれています。

 ピロリ菌は、何種類かの毒素を分泌するため、胃の粘膜を刺激して炎症を起こし、ひどいと潰瘍を作ります。胃酸はひじょうに強い酸性ですが、ピロリ菌は自らの分泌物で周りをアルカリ性にして酸を中和してしまうので、胃のなかでも生き続けることができるのです。

 また、ピロリ菌は、胃がんの犯人である証拠も昨年、見つけられました。ピロリ菌がつくる特殊なタンパク質、CagAは、胃の粘膜細胞に入り込み、細胞分裂と増殖をつかさどるSHP-2というタンパク質と結合します。すると、細胞が異常に増殖し始めるために、細胞ががん化してしまうのです。

 日本人は半数がピロリ菌に感染しているといわれています。それを証明するようなこんな話もあります。西濃運輸では、95年から従業員にピロリ菌の除菌療法を行い、7年後に医療費が3分の1以下に節減されました。総医療費の半分を占めていた消化性潰瘍の治療費が、除菌後は20分の1まで減少したのです。この話を聞いた他の健康保険組合や自治体は、医療費の増加に悩んでいるところも多いため、参考にするところも出てくるのではといわれています。

 ピロリ菌の除菌治療は、抗生物質と胃酸を抑える薬を7日間、飲むだけです。ただし、胃潰瘍と診断された人のみ保険が適用されます。なかには下痢、腹痛などの副作用が出ることもあります。

 慢性胃炎や何度も繰り返す胃潰瘍には、ピロリ菌除菌もを念頭に入れて、専門医に診てもらうのをおすすめします。

No.041: ピロリ菌を取り除いて潰瘍を治すも参考にして下さい。

---2002.5.18 (c) Mica Okamoto ---

 

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