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[No.112 : 2004年花粉症対策]


 春一番が吹き日毎に暖かさが増していますが、そろそろ花粉症の季節。昨年の夏が冷夏で雨も多かったことから、2004年のスギ花粉の飛散量は例年より少ないと予測されていて、少しホッとしている人も多いのではないでしょうか?

 ただ今年のような花粉量が少ない年でも、症状が出ないわけではありません。症状が出なかったり軽くすむ人は、例年発症する人の3分の1だけだといわれています。

花粉の飛散時期

 スギ花粉の飛散開始日は1日の最高気温を1月1日から加算した数字(積算温度)で大体予測ができるといわれており、積算温度が関東以西350〜400度、東北北部では210〜280度を目安とされています。関東地方は花粉が飛び始める頃です。

 1500万人もいるといわれるスギ花粉症は30〜40代の人が多く、地域で見ると関東が圧倒的。なぜなら関東地方にはスギが広範囲に植林されているから。一般にスギ花粉は九州地方、四国南部の飛散開始時期は2月上旬頃、関東北部は2月下旬、東北は3月中旬というように国内でも約1ヵ月もの開きがあります。

 シーズン中といえど、飛散量には差があります。特に、飛散量が多くなるのは

 ・雨の翌日で暖かく、風の強い日は要注意!
 ・晴れていて気温が高く、空気が乾燥して風が強い日

 です。また、1日のうちでも、正午前後と日没時は、飛散量が多くなる時間帯です。外出する場合は、飛散が多くなる時間帯を避ける工夫も必要でしょう。

 花粉症の原因となるのはスギだけではありません。関西ではヒノキ、北海道ではシラカバがスギよりも多いとされています。花粉の種類を時期で見ると、

 ・2月から5月まで飛散するスギ
 ・3月上旬から5月までのヒノキ
 ・4月中旬のイチョウ
 ・5〜7月のイネ
 ・8〜10月のブタクサやヨモギ

があります。飛散するシーズンによって症状が出る時期が違うため「スギ花粉が原因」と思いこまず、原因になる花粉を病院で検査しておきましょう。

症状のタイプ

 症状の出る時期には、早い人と遅い人では2カ月以上の開きがあり、スギ花粉症の人を「症状の現れる時期」と「症状の強さ」で分けてみると、

 1.ゆっくりと症状が出る「低感受性群」
 2.飛散の初期に早くから症状が出る「高感応性群」
 3.少量のスギ花粉の飛散でも症状が強く出る「反応高度群」
 4.少量の花粉では症状があまりでない「反応軽度群」

の4タイプに分けられます。今年は、【タイプ1】と【タイプ4】の人は症状が出ないか軽くてすむかもしれませんね。

 症状別に見ると《くしゃみ・鼻みず型》《鼻づまり型》に分かれます。

《くしゃみ・鼻みず型》
花粉が、鼻や眼の粘膜に付着し、アレルギー反応を起こす肥満細胞から放出されたヒスタミンが「知覚神経」を刺激した結果、くしゃみ、鼻みず、涙目、目や鼻のかゆみが起こる。

《鼻づまり型》
ヒスタミンの作用によって刺激された血管が拡張し、血管壁が緩んで血液中の水分が外に溢れてしまい「鼻づまり」を起こす。目で起こると「充血」。

 他に、花粉の飛散時期には、アレルギー症状がひどくなったり、弱い部分に不調が出て、喘息や耳づまり、倦怠感、頭痛、発熱、湿疹などに悩む場合もあります。

花粉症の薬

 今のところ、花粉症を根本的に治してアレルギー反応をなくす治療がないた め、薬で花粉症の症状を抑える方法が中心になります。

 花粉に反応する細胞(肥満細胞)から出てくる、ヒスタミンやロイコトリエンといった物質を"ケミカルメディエーター"といいます。ケミカルメディエーターの中でもくしゃみと鼻水を引き起こすのはヒスタミンであるため、花粉でアレルギー性鼻炎の人には、抗ヒスタミン剤が主に使われます。

「第1世代抗ヒスタミン剤」は、くしゃみ、鼻みず、かゆみなどに即効性があるため、よく使われてきました。ただし、脳血液関門を通って中枢神経にも作用してしまうため、眠気や倦怠感などの副作用が出るという難点があり、また、効果が持続しないため1日に何度も服用しなければならず、仕事や運転などへの影響を考え、服用に慎重になる場合が少なくありませんでした。

 数年前に登場した「第2世代抗ヒスタミン剤」は、脳血液関門を通過しにくいため、第1世代抗ヒスタミン剤では10〜30%だった眠気は、第2世代では数%と低く、また、第1世代よりも効果が持続するため飲む回数も少なくてすむ、ヒスタミン以外のケミカルメディエーターも抑制する、などの利点があります。ただ、効果が現れるまで2週間近くかかるなどの問題があげられますが、利用しやすくなったのは事実です。

 アレルギー性鼻炎の症状が重くなると抗ヒスタミン剤以外に「ステロイド剤」「ケミカルメディエター遊離抑制剤」「抗コリン剤」などが使われます。ステロイド剤には食欲亢進作用で顔が丸くなる、結核などの細菌感染症、糖尿病や骨粗しょう症を引き起こすなどの副作用があるため、アレルギー性鼻炎には、局所用剤と経口剤を中心に使われます。

 市販されている鼻づまりの点鼻薬は血管収縮作用があり、即効性はありますが、使い過ぎると症状がひどくなるため長期間頻繁に使うのは避けたほうがよいでしょう。

 このように花粉症の薬には、さまざまな種類があります。他の薬との飲み合わせや持病で副作用が出る場合もあるので、必ずアレルギー科などの専門医に相談したうえで、症状や時期によって薬と上手につきあうことが大切です。

薬以外の治療法

 薬はあくまでも対症療法でアレルギー自体をなくすことはできません。そこで注目されているのが「減感作療法(抗原特異的免疫療法)」です。

減感作療法(抗原特異的免疫療法)

 薄めたアレルギー反応の原因物質(抗原)を、少しずつ濃度を上げながら週1〜2回皮下注射して抵抗力を高めていく方法で、欧米では90年近い歴史を持つ治療法です。

 通常は、花粉のシーズンが終わった頃に開始すると、有効な場合には、翌年の花粉シーズンに薬剤を全く使わなくても症状が出なかったり、軽微な症状ですみます。効果が現れるまで、半年以上かかるため、通院が続かないのが欠点です。

 スギ花粉症には効きにくいと言われ、以前は5割程度しか効果がないとされていましたが、 2000年に開発された薬剤では、有効率が60〜80%、2〜3年の治療期間中に症状が治まっていれば、シーズンを過ぎた時点で治療を打ち切っても効果が持続することが多い、という報告があり、今後の花粉症治療として期待されています。

アレルギー性鼻炎のレーザー治療

 鼻炎のレーザー治療は、腫れ上がった鼻粘膜をレーザー照射で凝固して、鼻腔内の空気の通りをよくし、アレルギー症状を緩和させる治療で、鼻づまり(鼻閉)に効果があります。外科的手術とは違って出血はほとんどなく、脱脂綿に含ませた麻酔薬で粘膜に麻酔をかけ、治療時間は10〜15分程度、入院も必要なく、保険も適用されます。

 ただ、粘膜は数ヶ月で再生するため、花粉症が完治するわけではありません。シーズン前に治療すればその季節あるいは1〜2年は症状が改善されますが、花粉量の多い年にはシーズン中には薬剤が必要になる場合もあります。

日頃の生活での予防法

 花粉が飛び始めたら、花粉と接触しない、吸い込まないことを心がけることが大切です。

【生活のなかでのポイント】

       
  • 外出時はマスク、メガネやサングラス、帽子、コートなどを着用する。  
  • 洋服は、化学繊維など表面がツルツルしたものを選ぶ。静電気防止スプレーも有効。  
  • 花粉を家に持ち込まないよう、帰宅後は玄関の外でコートを脱ぎ、衣服や髪についた花粉を払う。  
  • 帰宅したら、手洗いやうがい、洗顔を行う。  
  • 窓を開け放しにしない。  
  • 布団や洗濯物はできるだけ外に干さない。  
  • 花粉飛散期の掃除はぞうきんがけを増やす。

    外出、旅行や出張の際には、花粉飛散予報をチェックをお忘れなく。

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    FINE-club のリンク集の「花粉症」も参考にして下さい。

    ---2004.2.20 (c) Mica Okamoto ---

     

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