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[No.118 : ビールと健康]


 暑い夏! ビールの美味しい季節です。夕方涼しくなると「とりあえずビール!」といいたくなります。

 ビールの誕生は古代にまで遡り、紀元前3000年頃にメソポタミアのシュメール人が、麦芽パンを砕いて水に入れて発酵させて作ったのが始まりといわれています。古代バビロニアやエジプトでは流行病の予防や薬としても用いられていました。紀元前1700年代半ばに制定された『ハムラビ法典』では、ビールを水で薄めた者は水の中に投げ込まれるという罰を設けており、神聖な飲み物だったことがわかります。日本での最初のビールは江戸時代に医者が作り、一般に製造されるようになったのは明治の初め頃です。

ビールの健康効果

カロリーは?

 アルコールは度数が高いほどカロリーも高くなりますが、ビールはアルコール分が4〜5%と他のアルコールに比べて度数が低いため、他のアルコールと比べると低カロリー。ビール大びん(633ml)1本当たり230〜250kcal、350ml缶で140〜155kcalの熱量があり、ビールでも発泡酒でもほぼ同じです。

「エンプティ・カロリー」ともいわれるアルコールは、血行の促進や体熱の上昇などに消費されるため、炭水化物などのカロリーと比較すると、脂肪となって身体に蓄えられることは少ないといわれています。ただし、ビールを飲むとのどごしがよく、ついつまみを食べ過ぎがち。アルコールは同時に食べたものを脂肪として溜め込むのを助長するため、「ビールを飲むと太る」といわれるのはそのためです。

栄養はある?

 ヨーロッパでは、ビールは「液体のパン」ともいわれ、回復期の病人向けのビールがあるほど。スタウトに卵を入れた「エッグスタウト」が風邪薬として用いられることもあり(日本の卵酒のようですね!)ビールの食欲増進作用と吸収されやすい栄養が知られています。

 ビールには、ビタミンB群(B1、B2、B6、ニコチン酸、パテント酸、ナイアシン、葉酸)や鉄分などのミネラルが比較的豊富で、たんぱく質や炭水化物などもバランスよく含まれています。あえていうと、ビタミンA、D、Eなどが不足するため、これらが豊富に含まれている食べ物をつまみにビールを飲めば、栄養のバランスはとれるでしょう。

健康効果は?

 ビールは利尿作用があり、腎臓の機能を高めることが知られています。他にも様々な効果があります。

*胃粘膜を保護し胃液の分泌を促す
 食べ物は消化されて小腸で吸収されますが、アルコールは20〜30%が胃で吸収されます。そのため、胃が空っぽ状態で飲むと吸収が早くなるとともに、胃に負担がかかります。ただし、ビールはアルコール度数が低く、胃から腸へ流されやすく、また、吸収もされやすいのが特徴です。また、炭酸ガスは胃壁を刺激して胃液の分泌を促すため、胃粘膜を保護し、胃の働きを活発にさせる作用があります。さらにホップの苦みは消化を助け、食欲増進に効果があります。飲みにいったときに、「とりあえずビール!」というのは、身体にとっては理にかなった飲み方といえます。

*精神の安定作用
 ホップの産地では枕の下に乾燥したホップを入れて眠る人もいるほど、ホップは精神安定作用があるといわれています。

*女性ホルモンのバランスを整える
 ホップは女性ホルモンと似た作用をする物質が含まれており、ストレスや疲労などで不足しがちのホルモンを補うため、ホルモンバランスの崩れから起きる冷え性などの症状を改善するといわれています。

尿酸値への影響は?

 尿酸値が高いと、指の付け根に激痛が走る「痛風」や生活習慣病の恐れが出てくるため、尿酸値が高い人はビールに含まれるプリン体が気になります。

     含まれるプリン体の量を見てみると、     
  • ビール1リットル     73mg     
  • ステーキ1人前(200g) 196mg     
  • 鶏レバー(100g)    312mg     
  • 大正エビ(100g)    273mg

 こうして見ると、内臓や細胞数の多い食べ物のほうがプリン体の量は断然多いのですが、ビールが多く思われがちなのは、毎日飲む人が多いからでしょう。

 プリン体の量が気になる人は、発泡酒(1リットルあたりのプリン体量34mg)やプリン体カットのビールを選んで摂取量を減らすのがポイントですが、尿酸の多くは飲食によるプリン体に比例するわけではなく、エネルギー代謝や新陳代謝によって生成されるものなので、プリン体の摂取ばかりを気にするよりも、適度な飲酒やウォーキングなどの有酸素運動を心がけて、血液100ml当たりの7mgの尿酸値をめざすことが大切です。

上手なおつまみの取り方

脂っこいつまみはNG

 ビールには揚げ物やピザなどの脂っこいものが食べたくなりますが、飲酒時は肝臓でのアルコールの分解が優先されるため、脂質は肝臓にたまりやすく、脂肪肝になりやすくなります。また、高脂質のものはカロリーも多く太りやすいので、少量がおすすです。

ビールの飲む段階でおつまみのタイプを変える!

1. 乾杯〜飲み始め
 胃壁を覆いアルコールの吸収速度をゆっくりにする脂肪を適度に含むチーズ、揚げ出し豆腐、マグロのトロなどや、胃腸を元気にするナイアシンを含むレバーや緑黄色野菜を使用した料理、イワシ料理などがおすすめです。

2. 飲み進んで話が弾む頃
 アルコールの分解を助けるビタミンB1が豊富な豚肉やレバーなどを使った料理、血中コレステロール値を下げ脂肪肝を防ぐレシチンを含む、豆腐、納豆、枝豆などの大豆食品などがおすすめです。

3. 酔いを感じ始めたら
 アルコールを分解すると二日酔いの元となるアセトアルデヒドが生成されるため、その分解を促進するビタミンCが豊富な野菜や果物、また肝臓の働きを強化するセサミンやタウリンを含む食材を使ったつまみが最適です。セサミンはゴマに、タウリンは、ホタテ貝、かき、たこ、いか、カツオなどに豊富です。

ビールをおいしく飲むために

 ビールのおいしさは、ホップの苦み、炭酸の度合い、のどごし、まろやかなこく、香りなど、それぞれの要素の絶妙なバランスからできています。好みの違いもあるため、おいしいビールといっても一言では語れませんが、おいしく飲むためのポイントは共通です。

保管に注意

 ビールは時がたつにつれて風味が落ちるため、保管方法によって味が左右されます。直射日光にあたると日光臭がついて苦みが増し、長時間高温にさらすと濁りを早め味が落ちます。そのため、日のあたらない涼しいところで保管しましょう。

適温に冷やす

 ビールの風味や炭酸ガスの持ち味が最も活かされるのは、6〜8度です。気温によって体感温度も変わるため、夏はやや低め、冬はやや高めにしましょう。グラスを冷やしておくと、いっそうおいしく飲めます。ただ、早く冷やそうと冷凍庫に入れるのは厳禁。ビールが凍ると風味やコクが失われ、濁りが出て本来のおいしさが損なわれます。また、缶やビンが破裂することもあるので注意しましょう。

静かに開ける

 ビールに振動や衝撃を与えてから開栓すると、泡が激しく吹き出します。ビールの中に溶け込んでいる炭酸ガスは常温で2気圧という高圧で圧縮されているため、衝撃を与えると一気に気化してしまうのです。泡ばかりのビールはおいしくありません。

グラスは清潔に

 グラスに油分がついていると泡が立ちにくくなるため、洗剤で汚れを落とし、十分にすすぎましょう。ふきんを使うと細かい繊維くずや汚れが付着するので、自然乾燥が理想です。

上手な注ぎ方

 グラスの20〜30%がビールの泡になるように注ぐのがポイントです。 初めはゆっくり、次第に勢いをつけ、泡ができ始めてからは、泡を持ち上げるように静かに注ぎましょう。泡は見た目をおいしくするだけでなく、ビール内の炭酸ガスを逃がさないフタの役目もあります。グラスの泡が消えないように、ビールだけを飲み干すのがおいしく飲むコツです。

 残っているビールに注ぎ足すのは、炭酸の抜けたビールに新鮮なビールを混ぜて味を落とす原因に。グラスが空になってから注ぎましょう。

---2005.7.25 (c) Mica Okamoto ---

 

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