オンラインショッピングの利用者は、アメリカでも年々増加の傾向にあり、今やネット上で買えないものはないといった状態。競争の激しいインターネット業界では、ユニークなアイディアを武器に新しいビジネスが続々と誕生していますが、その反面買収や倒産も相次いでいます。

　化粧品をネット上でカスタマイズし、消費者に提供する「Reflect.com」は、大手メーカー「P＆G」が運営するサイト。50億ドルの投資でビジネスがスタートしてから約２年、今だに利益が上がっていないという現状ですが、消費者と１対１のコミュニケーションを取ることにより、それぞれの好みや肌質に合ったオリジナル・コスメをクリエイトするといったアイデアは化粧品業界でも、今後のゆくえが注目されています。

　Reflectが扱うアイテムは、スキンケア、メイクアップカラー、ヘアケア、メイクブラシ、香水、雑貨類と豊富。ビジターはサイトに登録する際に、個人情報、肌質、髪質、ライフスタイル、嗜好などの質問に答え、基本となる個人データファイルを作成。これは化粧品会社のアンケートと心理テストがまざったような感じのものです。

　製品を購入するには、まずアイテムを選び、いくつかの具体的な質問に答え、ボトルとラベルのデザインを選ぶとできあがり。パッケージには、世の中に一つしかない製品である証として、オーダーした消費者の名前が記されます。

　気になる値段は、クレンザー＄19、ナイトクリーム＄42、シャンプー＄15、リップスティック＄17、オード・トワレ＄40など、デパートで売っているコスメと同じくらい。送料は無料で、カスタム・メイドにしては安いというのは嬉しいところですが、購入前にサンプルやテスターを試せないというのは、ちょっと問題ですね。この製品があなたにぴったりと言われても、化粧品は使ってみないとわからないものですから。

　P&G社は、顧客データベースを構築するという面ではメリットを得ていますが、ビジネスとして成功させるには、システムも含め、多くの課題がありそうです。今のところはアメリカ国内の発送のみですが、状況次第では世界中にサービスが広がるかもしれません。