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[No.16: サーフブランド『Mossimo』の戦略]


 南カリフォルニアは、一年中暖かい気候という土地柄、サーフィンのめっかでもあります。ロスアンゼルスの南に位置するハンティントンビーチやニューポートビーチ辺りでは、冬でも、サーフィンやブギーボードのイベントや競技会が催されているし、ローカルの人々はビーチサンダルに短パン、またはタンクトップやサマードレスといういうスタイルが定番です。

 そんなこともあって、ビーチ周辺のブティックはサーフブランドのカジュアルウエアが目白押し。『クイックシルバー』を初め、最近ではコスメにまで進出し始めたロキシー、ビラボング、ボディ・グローブ、ボルコムなどの有名ブランドは、多くの店で扱われており大人気。全体的にコンセプトは、ティーンエイジャーといった感じですが、値段も手頃だし、特にレディスものはキュートなデザインが揃うので、ちょっとした普段着についつい買ってしまいたくなります。

 このような好調なブランドと明暗を分けるべく、ここ南カリフォルニアから生まれたブランド『Mossimo』は、世間を驚かせる新たなマーケティング戦略を打ち出しました。倒産しかけてやむを得なくというのが実情だと思いますが、「ターゲット」というディスカウントストア(日本でいうダイエーやイトーヨーカドー)と契約を結び、全米のチェーン店で販売を始めたのです。

 『Mossimo』といえば、日本でも丸井などで販売されていたはずなので、ご存知の方もいらっしゃると思います。それが今や「ターゲット」の衣料品売り場は、Mossimoのプロモーション一色といっても過言ではないほど。Tシャツ$9、パンツ$25、スプリングコート$35など、かなりお手頃な価格帯なので今まで購入できなかった消費者にとっては、とても魅力的ではあるのですが、その反面、ターゲットで洋服を買うなんてダサイと思う若者は多いらしく、今、Mossimoを着出したら、どこで買ったかバレバレというのも辛いところ。

 と、いろいろ物議をかもし出しているわけです。過去の栄光を捨てても、ブランドとしての価値が無くなってしまっても、会社を守るためにはやむを得ない選択というところだったのでしょうか? 日本ではちょっと考えられない大胆な方針。10年前はクイックシルバー同様、スタイリッシュなサーフブランドとして名を馳せたにもかかわらず、淋しい最後になってしまうのか、再度盛り返すかは今後が見所です。

---2001.3.20 (c) 2001 by Kayoko Okochi ---

 

 

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