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今どきの子どもたち
【トイレでウンチができない!】

 あるPTAの定例会で、3年生の母親がある話題を持ち出した。
『学校のトイレでウンチができない子がいる』というのだ。
思わず、「えっ?!うそ!そんなことあるの?」と思ったが、口には出さなかった。その人の話だと、クラスの母親が集まる親睦会でその話が出たらしい。

「うちの子は、学校でウンチができないんです。転校してくる前の学校で、ウンチをしている最中に上からのぞかれたことがあり、それから怖くてできない。学校から帰ると、一目散にトイレに走って行き、家のトイレでするんです」

 その話が出たとき、うちも、うちもと、なんと3人ほどの親が話し出した。
1人は男の子の親。男の子はおしっこは立って、ウンチはトイレに入るから、どちらへ行くかでわかってしまうのが嫌なのだとか。

 もう1人は、授業中言い出せなくて、我慢していて、少しもらしてしまい、それ以来できなくなったそうだ。

 我慢している子の中には、幼稚園のときに、食べたらすぐに出るタイプだったから、完全に狂ってしまい、体調を壊した子もいた。

 そのほとんどが男の子。「なぜ行かないの?」と尋ねると、「学校のトイレは汚いから」という答えが返ってくるんだそうだ。

 学校のトイレで大をすると、その香りでバレてしまう。恥ずかしがり屋さんだと、できないのも当然かも。でも、そんなことを続けていたら、出したい時に出なくなって、便秘になったり、お腹の調子が狂ってしまったり、体への弊害のほうが大きいに決まっている。

「体に悪いから学校でしなさい」といったところで、子どもにとっては何の解決にもならない。子どもの性格や周りの生徒たちの様子をよく見て、先生がフォローしないと、一度、事件として起こってしまったら、簡単には解決できない。子どもをどれだけよく見てくれているか、担任の力量次第なのだ。

 学校のトイレは家のトイレに比べて、薄暗いし、和式だし、ちょっとはずれたら、すぐ便器が汚れるし、それを掃除しようって気にもならない。「汚しましたから、きれいにして」とは先生にいえないだろうし。誰かが入ったら「きったねぇ」で終わってしまう。

 なかには、トイレは格好の遊び場にもなる。トイレットペーパーを換気扇に巻き付けたり、ほどいてバラバラにしたり、トイレの中にトイレットペーパーを何個も山積みにした事件もあったらしい。ドアで隠れるから、絶好の秘密の場所。いたづら心がうずくのも無理はない。

 PTAの運営委員会で、「トイレが汚いといって、ウンチができない子がいます」というと、まず先生からは「ちゃんと掃除しているはずなんだが....」

他の役員からは「低学年の話でしょ」とあしらわれたり、「うちの子も入学当時はできなかったけれど、何度も言い聞かせて、2年生になってできるようになった」という話もあり、「ウンチ、ひとつでこんなに子どもの様子が違うなんて」と、けっこう驚いてしまった。自分の子にそれが起こらない限り、親としては知る由もない。

 校長が口を開いた。子どもの心が荒れている学校は、いたずらが頻繁に起き、汚れたら汚れ放し。ちゃんとしている学校では、きれいにするための工夫がこらされていて、明るくて入りやすかったり、手入れもしやすかったり。トイレは、いじめが起きる場所だったり、秘密の仲間が集まったり。トイレはその学校の子どもの心を写す鏡のような役割がある場所なのだそうだ。

 ほほー、さすが校長、エライだけのことはあると感心した。
 でも、もしわが子ができない子ならどうしたらいいの?
いちいち学校についていけないし、こっそりトイレで何が起こるかなんて、わからない。
 グルグルいろんな意見が頭を巡ったわりには、結論が出ない内容だった。

---2000.6.7 (c) 2000 by Mica Okamoto ---


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