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【2年生でコンタクトレンズ】 保健室で養護の先生と話をしていると、「コンタクトがはずれた」といって、1人の男の子がやってきた。先生は手馴れたふうに、おわんに水道の水を入れ、その子にわたした。コンタクトが眼の中でどこかへいったらしく、まぶたを広げながら、指で探している。そのうち、手が汚れていたのだろう、眼から黒い汁が流れてきた。 「手を洗ってからすれば」と私がいいかけたら、先生が「男の子なんだから、しょうがないわ」と言い、その後続けて「この子、週に何回もこうやってくるのよ。最近は慣れてきて、このおわんも自分で片づけるようになったのよ。最初の頃は、洗い場でやってたものだから、一度コンタクト流したこともあって、一緒に探したこともあったのよ」 私は眼をグリグリさせながら、まだ見つからないふうにしている子に「何年生?」と聞くと、「2年生」。
‥‥えっ?? 2年生でコンタクトレンズしてるの?!と驚いてしまった。
「なんで、コンタクトしてるの?メガネは?」と私。相変わらず、眼を白黒させている。
私「そんなにしたら、眼に傷がいくんじゃないの?お母さんにいって、メガネにしたら」 ‥‥そうか、メガネは高いけど、コンタクトレンズならなくしても、まだ安いってこと? でも、眼に悪いじゃないの。大体、小2の男の子なんて、運動量もすごいし、清潔にしろっていうのも無理な話だし、レンズの消毒なんてできないし、そんな子にコンタクトレンズなんてつけさせてていいの??? ‥‥そのへんの町医者でコンタクトにしろっていわれてるなら、大きな病院へ行って、ちゃんと診てもらったほうがいいのでは、と思い、「病院は、どこに行ってるの?」と聞いたら、「順天堂大学病院」。
ドヒャー! 「この子の親、何もいってこないのよ。普通だったら、こんなに保健室に来ていたら、『いつも御世話様です』とか『コンタクトの使い方はこうしてください』とかなんとか、いってくるのが普通じゃない。そうしたら、私も『小2だと、コンタクトレンズは難しいんじゃないですか』と話ができるんだけどね。何もいってこないのに、いきなりお手紙なんて出せないしね」
親は何を考えているんだ! 思わず「お母さんにメガネにしてもらいなさいね!」と強い口調で言ってしまった。が、その男の子はおわんの中のコンタクトをはめると、さっさと保健室を出て行ったのだった。 あまりいうと親を悪くいうと、子どもにとってもいい気はしないだろう。子どもも、内心変だなと思っていても、やっぱり親の言うことをきいてしまう。嫌われたくないから、親にいわないことが多い。 そんな事を続けていて、何か起こったら大変。その前に周りの大人が、大事に至らないようになんとかしたいもの。でも、今の世の中、そう思っていてもなかなかできない。
---2000.6.17 (c) 2000 by Mica Okamoto --- |
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