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子どもの健康情報【アナフィラキシー、小中高生の1万人に1人で発生】


 特定の食品を食べた後に運動すると起きる急激なアレルギー症状「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」が、小・中・高校生の1万人に1人程度の割合で発症していることがわかりました。

アナフィラキシーの症状

 食物アナフィラキシーとは、特定の食物を食べることによっておこる全身性の急性アレルギー反応です。症状の多くは、食べ物を食べて5分から30分以内に急激に現れます。

 食物によるアナフィラキシーの症状は、食べた後すぐに、口の中がしびれる、のどがつまる、唇が腫れる、皮膚がかゆくなる、蕁麻疹、皮膚が赤くなる、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢、咳、ゼーゼー、呼吸困難などです。そのなかでも特に症状が強く大変危険なのが、意識障害、血圧低下、呼吸困難などが起こる「アナフィラキシーショック」です。

原因になる食物

 アナフィラキシーの原因となる食品は、小麦、鶏卵、牛乳、そば、ピーナッツ、エビ・イカ・カニなどの甲殻類、キウイフルーツ・バナナ・モモなどの果物類、ゴマ、クルミなどたくさんあります。

 加工食品などは見た目には入ってないと思われるものでも、原因となる食材からの抽出成分などが入っている場合があるため、食品表示に注意する必要があります。外食や調理済み店頭販売食品などには表示がないため、できるだけ避けたほうが安全です。

どんな運動で起こる?

「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」は、原因になる食物を食べた後、2〜3時間以内に運動すると症状が現れます。運動の種類は、サッカー、テニスなどの球技やランニングなど比較的激しい全身運動で起きることが多いのですが、速足や掃除などの軽い運動で起こることもあります。また、そばを食べた後、水泳をして死亡した例もあります。

誰に起こる?

 アナフィラキシーは、乳幼児などが多くみられますが、学童や成人になってもみられます。

 横浜市立大学の相原雄幸教授(小児科学)らが、1999〜2003年に神奈川県内で行った調査によると、小学生8人、中学生13人、高校生9人の計30人に発症経験がありました。小学生は約16400人に1人、中学生は約5900人に1人、高校生は約11600人に1人、全体では約10400人に1人の割合になり、男子が80%を占めました。また、中高生22人のうち、4人が5回以上発症を繰り返していました。

対処法は?

 もしアナフィラキシーが起こってしまったら、できるだけ早く病院に連れて行くことが重要です。アナフィラキシーの治療は原則的に医療機関でしかできません。ひどい場合には、命に関わる場合もあります。

 子どもに食物アレルギーがある場合は、もしものことを考え日頃から備えておくことが大切です。小学校の給食は、内容をチェックして食べないように子どもに言い聞かせることができますが、中高生になると親の目が届かないため、本人が十分に注意するように日頃から自覚させることが必要です。

 運動の機会の多い学校できちんと予防できればいいのですが、2003年の小学校の調査では、アナフィラキシーのことを知っている教諭は約64%でした。

 まだまだアナフィラキシーの認知度は低いのが実情です。しばらく症状が出ていないアレルギー体質の人が、複数の食物を食べた後に運動をして発症した例もあります。アレルギー体質の人は、食物や運動のタイミングに日頃から十分に注意するようにしましょう。

 

参考サイト
(財)日本アレルギー協会〜アナフィラキシー

---2005.10.14 (c) Mica Okamoto ---


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