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子どもの健康情報【子どもの包茎は心配しないで!】


 男の子が包茎だと気にする母親が多いですが、思春期前の子どもは、ペニスの先端(亀頭)が皮で覆われている状態が普通です。亀頭が完全に皮をかぶり、手でもむけない「真性包茎」は、乳児では8割、幼児では6割、小学校低学年では4割、高学年では2割ほどいますが、成長とともに思春期になると、ペニスは成長し、亀頭は自然に露出するようになります。

 米国小児科学会は、最近包茎手術の一律推奨をやめました。つまり包茎は原則として手術不要、自然にまかせて何もしないことが最善の策といえます。

 国立成育医療センター(東京・世田谷)総長の松尾 宣武氏は、「ほとんどの包茎は機能的には何の支障もないため手術などの治療は必要ない」といいます。ただし、排尿時に亀頭と包皮の間に尿がたまって尿が勢いよく出ない場合や、菌で炎症を起こす亀頭包皮炎や尿路感染症を繰り返す場合などは、小児科や小児泌尿器科の受診しましょう。

 ただし、暴れる子を押さえつけ、無理矢理手でむいたり、メスで皮を環状に切り取る手術が今でに行われている現状があります。そのうえ育児書などで、包皮を反転させ無理矢理亀頭を露出させるのがペニスの“正しい洗い方”とされており、これを実行して包皮の皮膚や粘膜に目に見えない小さい傷がつけてしまい、包皮と亀頭が固く癒着させてしまい、最悪の場合、手術を必要とする場合もあります。 手術は15分くらいの短い時間ですが、全身麻酔が原則なため、子どもの身体には大きな負担と危険性が伴います。

 神奈川県立こども医療センター泌尿器科部長の寺島和光氏によると、「実は塗り薬で治る」といいます。 亀頭包皮炎になった場合、包皮をめくるようにしながら、内側にあまり強くないステロイド軟膏を毎日1,2回塗り込みます。幼児ほど元に戻りやすいので、その後しばらく入浴時にめくってくせをつけるようにすると、ステロイドの組織を柔らかく薄くする働きで自然にむけてくるのだといいます。

 中学生くらいまでの子どもは自然にまかせるか、気になる場合は薬を使ってみるとよいのではないでしょうか。また、思春期になると、親に黙って美容外科で高額の手術をすすめられたり、子どもが極端に気にしないように、親子で情報を交換をすることも大切だと思います。

---2003.9.25 (c) Mica Okamoto ---


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