食品添加物のなかで天然着色料といえば「原料が天然だから、絶対安全だよね」なんて思ってしまう。確かに素材は天然ものだが、色を抽出してから着色料にするまでに、いろいろな化学物質を添加して作るものもある。
例えば、カラメル色素。製造過程から厳密に分ければ4タイプある。糖類、でんぷんを熱処理しただけのものと、同原料に少量の亜硫酸化合物やアルカリ、酸、アンモニウム化合物、アンモニア化合物など化学物質を加えて熱処理したものが3タイプもある。どの化学物質を加えたかで、危険度も違いが出るという。しかし、表示はすべて「カラメル色素」で、インスタントラーメンのスープ、ソース、コーラなどによく使われている。これじゃ、消費者は判断できない。
クチナシ色素も同様で、加える化学物質の違いで、赤、青、黄の三色の着色料ができる。ラーメンの麺や飲み物、お菓子などに一般的に使われているクチナシ色素は、カロチノイド色素とかカロテノイドなどの別名がある。赤とうがらしを原料にしたパプリカ色素やサツマイモの根からとれるイモカロテンという色素も別名はカロチノイドなどといい、カロチノイド色素と表示されていれば一体なんの色素かは見分けがつかない。
また、コチニールという色素は、中南米のサボテン科ベニコイチジクに寄生するエンジ虫から抽出される色素で、清涼飲料水やゼリーなどに使われている。寄生虫から作った色素と聞くと「えっ?!気持ち悪い」と反応してしまうし、一部の合成着色料より毒性があるというデータもある。
着色料は、合成も天然も具体的な着色料の名前を表示しないといけないと、厚生省で定められている。「○色○号」と書かれていれば「これは合成着色料だからやめよう」と判断できる。でも、天然色素は表示されていても、なんだかわかったようなわからないようなものばかり。
安全性に疑いのあるデータは、ラットなどの実験動物の結果だから、気にすることはない、とも思うし、何万倍もとった場合に起こる可能性で普通なら大丈夫とも思うので、神経質にはなりたくはない。でも、一度知ってしまうと、できるだけ摂り入れたくないと感じて、反射的に生活に生かそうとするもの。とりあえず表示を見て、ちょっとマズイかも、というものは避けるにこしたことはないと思って毎日を過ごしている。
---2000.3.06 (c) 2000 by Mica Okamoto ---
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