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[No.019 コラージュ療法で自分を知る]

 先日コラージュ療法のワークショップに参加した。コラージュとは、好きな写真やイラスト、文字などを雑誌やチラシなどから切りとり、画用紙に貼ってひとつの作品にするというもの。

   その日は30人ほどの参加者で、当初は周りとのおしゃべりでざわついていたが、次第にシーンと静まり返った。私も含めてみんな工作に夢中になる子どものよう。私は自然光が入るリビングの写真や、きれいに盛り付けられたサラダやイタリア料理の写真などを、できるだけ大きく扱って貼っていった。配置のバランスなども考えていると、なんだかプレゼン用イメージボードを作ってる感じがした。

   小1時間たったところで作業はやめ、3人で1グループになり、話し合いを始めることに。右隣の人の作品を見ると、チョコレートや花の写真を3〜5cmくらいに丸く切り、30枚くらいを全体に貼ってある。そのなかに「売りきれ」という文字が。周りを見ると、ものの形どおりに切っている人もいれば、画用紙の空白の多い人、重ねて貼っている人、ピンク系で統一されている人、「抱きしめて」などの言葉を貼ってる人などさまざま。作品について質問や感想を話し合ったが、なぜ貼ったのかという質問にお互いしどろもどろになりながら、自分の本心が見え隠れするのに気がつく。

   講師の話だと、コラージュの見方は箱庭療法や絵画療法などの見方や夢分析の方法を参考にしているという。空間のどの位置に貼るかによっても意味があり、中心に貼ったものは自分自身をあらわし、右上には社会性、右下には家庭や感情などをあらわす。また、1枚だけでどうこういうのは危険で、何回か継続してその流れで心理的変化を見ていく。

   最も大事なのは全体として受けるイメージと、作品をきっかけに話す言葉。
ある不登校の子どもは、喪服を着て背を向けた女の人やサボテンの写真を貼っていたが、数回後には、ピンクのドレスを着たこちらを向いて笑っている女性の写真を貼ったという。それはだんだん心が回復してきたことを意味する。

   コラージュ療法は、すでにあるものを選んで切って貼るだけなので、絵を描くのに比べて抵抗がない。絵だと自信がないと、すぐには描けないものだ。また、親子で一緒にできるのもいい。作品をきっかけに親子でいろいろと話すことができれば、いいコミュニケーションになる。

   話を聞きながら、にわか精神分析者になった気分でいたら、「簡単にわかることもあります。食べ物やお酒を貼るのはエネルギーが欲しいという意味で、ベッドや椅子は疲れているから休みたい、という気持ちをあらわします」と講師の声。私の画用紙の約3分の1は木製のダブルベッドの写真が占領し、大小取り混ぜた写真10枚中4枚は料理の写真。みんなから「岡本さん、疲れてるのね」といわれてしまった。昨日はよく寝たはずなのにと思いながら、本心はなかなか自分ではわからないものだな、と考え込んでしまった。

---2000.3.31 (c) 2000 by Mica Okamoto ---

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