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[No.049: 自覚症状のない「緑内障」]

 3月16日の新聞を見ると派手な色使いの1面が目に飛び込んだ。「緑内障チェックシート」というもので、今や40歳以上の30人に1人が緑内障にかかっていると紙面には記されていた。

 少し前の3月6日、日本緑内障学会は、40歳以上の17人に1人が緑内障だと疫学調査結果を発表している。岐阜県多治見市の40歳以上3000人の検診結果の分析である。患者の大半は緑内障の特徴である眼圧の上昇が起きておらず、眼圧検査だけでは早期発見が難しいことがわかったという。

 緑内障とは、視神経に障害が起き、視野が次第に狭まる病気で、一度失われた視野は元に戻らない。薬で進行を遅らせることはできるが、放っておくと失明の怖れがある。そのうえ自覚症状がないので自分では気づきにくい厄介な病気なのだ。

 現在国内に400万人程度の患者がいるとされるが、実際に眼科治療を受けているのは50万〜100万人。約300万以上の人が治療しておらず、気づいたときには時すでに遅し・・・ということになる可能性が高い。

 最近は若い世代にも広がっている。2000年に国立療養所中部病院が行った男女7万人を対象とした眼圧検査では、若い世代の眼圧が高くなっており、30歳代の平均眼圧が70歳以上よりも高い結果が出たという。

 若い人の眼圧が高くなる原因は、パソコンやゲーム、受験勉強などで小さい頃から目を酷使したせいで近視になり、そのせいで水晶体が厚くなって目の房水の排出がうまくいかなくなるせいだと分析されている。現代社会で生活しているだけで、たかが目の疲れでも視力が落ち、じわじわと視野が狭くなる要因を蓄えていることになる。

 視野は外側から狭くなるが中央部が見えているため、なかなか気づかない。見たいものが見えていれば周りは気にならないものだから、視野の大きさには人は無頓着になりがちだ。

 食卓でコップと取ろうとしてすぐ横にあった醤油差しをひっくり返したり、歩道を歩いていて段差に気づかず転んだり、脇から来る自転車にぶつかったりといったことが起こり始めると、視野が狭まっている証拠だ。両目で視野を補っているため、「視野が狭いな」と気づくころには相当進行していて手遅れになっている可能性が高い。

 予防するにはまず目を休ませること。そして、定期的に眼底検査を行い早期発見することしかない。

 40代では男女ともに2%の有病率だが、50代だと男性約4%、女性2.2%、60代では男女ともに約8%、70代では男性12%、女性14%と年齢とともに増える。若いからといって目に無理をさせていると、70歳頃目が見えなくて苦労することも考えられるのだ。

 日本の平均寿命は、男性77.72歳、女性84.60歳。十分見えてるうちは、気にならないものだが、なるべく不自由のない老後を目指すためには目の検査を定期的に行い、目をいたわりたいものだ。

*こちらも参考にしてください。
No.028:若い世代で増加する緑内障

---2003.3.18 (c) Mica Okamoto ---

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