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[No.026:寝ても疲れがとれない時は鉄分補給を!]


 鉄は、カルシウムに次いで日本人が不足しやすい栄養素です。とくに、女性は、毎月、生理によって鉄を含む血液が体外へ排泄されるため、男性よりも必要量が多く、不足している人が多いのが現状です。

 鉄は、我々の体内に2g〜4g程度存在しています。そのうちの70%は血液(ヘモグロビンの材料)や細胞に含まれており、酸素を活性化して身体のすみずみに運搬する働きをします。その結果、血行がよくなり、貧血や疲れなどが予防されたり改善されたりするため、「機能鉄」と呼ばれています。

 残りの30%は脾臓や肝臓、筋肉になどに貯蔵されており、機能鉄の量が減ると必要に応じて貯蔵鉄が使われる仕組みになっています。

 鉄が不足すると、身体が酸欠状態となり、顔色が悪い、動悸や息切れやめまいがする、疲れがとれない、集中力がなくなるなどの症状が現れてきます。これが、貧血の症状です。貧血は初期の段階では自覚症状がほどんどないため、これらの症状が自覚できる場合は、体内において機能鉄が不足し貯蔵鉄もかなり使われている可能性があります。

 このような貧血症状がある人は、ただちに鉄を補給する必要があります。鉄は、レバー、あゆ、うなぎ、貝類、ひじき、切り干し大根、高野豆腐、小松菜、アスパラガスなどに多く含まれていますので、これらの食品をとるようにするといいでしょう。

 ただし、鉄は、非常に吸収の悪い栄養素なので、摂取する時は注意が必要です。まずは、鉄の吸収を悪くするものを一緒にとらないこと。鉄分の多い食事をとった後は、食後にタンニンを含む緑茶やコーヒー、紅茶などはとらない方がいいでしょう。タンニンは鉄と結合してしまい、鉄が吸収されにくくなるためです。

 また、玄米や全粒粉パンなどに含まれるフィチン酸、加工食品に多く含まれるリン、ほうれん草などに含まれるアクの成分のシュウ酸も鉄の吸収を悪くします。貧血症状がなくなるまでフィチン酸やリンを多く含むものは控え、ほうれん草は、しっかりゆでて水にとりアクを十分に抜いてから食べるようにしましょう。

 また、鉄の吸収をよくするものを一緒にとることも大事です。鉄は、動物性タンパク質やビタミンCと一緒にとると吸収率がアップします。したがって、肉やビタミンCの多い野菜や果物と一緒にとるようにするといいでしょう。

 鉄不足というと男性には関係ないこと、と思っている方も多いようですが、歯槽膿漏による歯ぐきからの出血、痔などで鉄の排泄量が増えたり、ストレスで鉄の吸収が悪くなったりすることが原因で、最近では、男性でも鉄不足の人が少しずつ増えてきました。一晩寝ても疲れがとれない、朝起きるのがつらい、などと感じるようなら鉄を意識的にとるように心がけましょう。

---2002.5.11 (c) Mari Wakasugi ---

 

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