[No.042:ストレスで起こる過敏性腸症候群]
会社や学校へ行く途中で便意を催し、必ず電車を降りてしまうという人がい
ます。このような症状の多くは過敏性腸症候群といわれ、自律神経のバランス
が崩れ、腸の働きが乱れることで起こります。
■原因はストレス
過敏性腸症候群の原因はストレス。対人関係や環境の変化による精神的なス
トレス、過労や冷え、病気などの身体的なストレスが原因であることが多く、
そのうえに暴飲暴食、食生活の乱れなどが加わり、症状がひどくなります。
■タイプとその症状
過敏性腸症候群は大きく3つのタイプに分かれます。
【1.下痢型】
会社や学校に行く前や途中でお腹の調子が悪くなり、下痢を起こす慢性の下
痢。そのほとんどは食事内容とは無関係に起こります。このタイプは、下痢や
軟便が1日2〜3回から数回以上も起こります。1回の排便量は少なく、便意
が強いのに十分排便できないため、残便感や不快感が残ります。 男性に多いの
がこのタイプです。
【2.便秘型】
腹痛があり便意を催してトイレに行っても便が出にくく、出てもウサギのフ
ンのような便しかでません。休日やリラックスしているときには、症状が現れ
ないのが特徴で、女性に多いタイプです。
【3.下痢便秘交代型】
数日間、軟便や泥状便、水様便、粘液が混じった便などが続いた後、便秘や
コロコロした便、細い鉛筆状の便が出るなどの症状が繰り返されます。過敏性
腸症候群のなかで最も多いタイプです。
ほかに、腹痛や腹部の不快感や吐き気、おう吐、げっぷ、お腹がゴロゴロと
なる、食欲不振などの症状を伴うことがあります。
■治すには
まず、生活を見直すことから始めましょう。特に気をつけたいのが食生活。
アルコールやカフェイン類、香辛料、冷たいものをなるべく控え、暴飲暴食や
不規則な食事を避け、胃腸に負担のない食生活を心がけましょう。食物繊維や
ヨーグルト、オリゴ糖など腸の働きをよくする食べ物を摂るのもおすすめです。
毎日、軽く汗をかく程度の運動をしたり、趣味や好きな時間を持ち、ストレ
スを発散させることも大切です。そして、睡眠・休養を十分にとり、体を冷や
さないように。冷えは自律神経に影響を与え、腸の働きを鈍らせます。
生活を見直すためのセルフコントロール表をつけるのもいいでしょう。下痢
や便秘の回数、腹痛の程度、その日の気分、行動や食生活の変化などを記入す
ると、生活と症状との関係がわかるようになります。症状が悪化する原因が早
く見つけることができ、生活改善の目安になります。
自分ではなかなか改善できない場合は、医師と相談することも大切です。症
状を緩和するために、消化管の働きを改善する薬、腹痛止め、下痢止めなどを
処方してもらったり、精神的なストレスが原因であることがわかれば、うつや
不安を抑える薬などを併用することもあります。
腸は健康のバロメーターといわれます。腸が不健康だと、体のあちこちに影
響がでます。がまんをせずに、早く治すようにしたいですね。
※こちらも参考にしてみてください。
ストレスが原因で起こる病気
---2000.10.28 (c) 2000 by Mica Okamoto ---
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