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[No.058: 低周波音症候群]


 低いうなり音が迫る、脳みそをたたかれるような頭痛、めまい、のどが痛い、眠れない・・・調べてみると、生活の中から出る低周波音が原因だったということが増えています。低周波音があまり知られておらず、騒音被害に紛れている場合もあるため、潜在的な被害はかなりあるのではないかと疑われています。

■低周波音とは

 人が感じる音の周波数は20〜20000Hz程度の範囲(可聴音)だといわれています。この可聴音のなかで、人の耳には聞き取りにくい、20〜100Hz程度を低周波音、可聴音より低くて耳には聞こえないとされる20Hz以下を超低周波音と呼んでいます。

 影響としては、窓ガラス、扉、戸、家具などが風もないのにガタガタ振動すしたり、人体に対しては、圧迫感や振動感、頭痛、不眠などの症状が出ます。最も多いのは、頭痛、イライラ、不眠です。

 発生源は、ディーゼルエンジン、ボイラ、プレス機械、コンプレッサー、高速道路、橋梁、鉄道トンネル、自然現象など幅広くあります。自動車の中ではアイドリング時に細かい振動とともに感じ、窓ガラスや扉の固有振動数と一致してカタカタと音を立てることがあります。最近は、スーパーやコンビニなどの冷凍庫やビルの屋上の冷却塔など、生活の場に近いものから発生することが増えています。

■低周波音症候群

 低周波が原因で起こる不快な症状に対して、和歌山市の汐見文隆医師は、「低周波音症候群」と名付けました。

 ある男性は引っ越してからめまいや頭痛を起こすようになり、その家族もまた同じような症状に悩まされていたのが、その家から離れると不思議に症状がなくなりました。家族の一部が別のところに引っ越し、調査してもらうと、原因は近隣のディーゼルエンジンの発電機だとわかりました。訴えにより発電機に防音工事を施してもらいましたが、体調はよくならず、話し合いは平行線のままの状態です。

 また、ある女性が頭痛を訴え、調べると省エネタイプの冷蔵庫による低周波音が原因でしたが、いくつもの医療機関を訪ねても、異常なし、更年期障害といわれ、精神安定剤を処方されただけでした。

 医師の間では低周波音が人体に影響を及ぼすという認識がなく、関心が低いことや、同じ環境でも低周波音の影響の受け方には個人差があるため、被害実態が理解されないことも多く、自律神経失調症と片づけられることが少なくありません。

■対策

 1998年、環境省は低周波音の問題について、改善を図るため調査検討を始めましたが、法的規制がないため、低周波音を出している者に対して、国や行政が改善を指導したり、移転を強制することはできません。また、行政側が被害を抑えようとする認識もまだ薄いようです。既に訴訟に発展する例がいくつかありますが、社会的認知が低く、必ずしも改善されるとは限りません。

 もし、低周波音が疑われる場合は、自治体に苦情を申し出て調査測定をしてもらい音源を確定しましょう。音源がわからなくても、一番苦しい場所で測定し、その結果データーをもらい、音を出している当事者と話し合いましょう。それでもダメなら法的手段をとることなどが考えられます。

騒音公害リンク集では、低周波音や騒音で困っている場合に幅広く電話で相談に応じてもらえます。

---2001.3.24 (c) 2001 by Mica Okamoto ---

 

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