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[No.063: 空笑(ひとり笑い)について]


 オフィスや電車のなかで、一人でクスクス笑っている人を見かけたことがありませんか? これは、空笑(「くうしょう」と読みます)といって、精神分裂病の兆候である可能性が高いといわれています。

■空笑(ひとり笑い)とは

 空笑とは、誰かと話しているわけでもないのに、一人で笑っている症状で、いわゆる「思い出し笑い」とは違います。

 本人にしてみれば、実際におもしろい話を聞いている(聞こえている)場合が多いのです。つまり、幻聴に反応して笑っているのです。周囲の人は、おかしくなくても、本人は幻聴によっておもしろい話を聞いているので、本人にしてみれば、「真剣に笑っている」状態なのです。

 空笑があれば、すべて精神分裂病とは限りません。しかし、精神分裂病の患者に見られるさまざまな症状のなかのひとつであることは確かです。

 この病気にはたくさんの症状がありますが、そのなかのひとつとして「独語」があります。これは、誰も話し相手がいないのにブツブツと一人で呟いている・・・そういう状態を独語をしていると言います。また、パソコンに話しかけていたり、テレビに向かって話しかけていたり、相手が人間ではない場合にも広い意味で独語ということがあります。

 「空笑」と「独語」が併発する場合は、分裂病と診断される確立が高いともいわれています。これらの症状は、人と接する機会の多い人より、内勤や家のなかで過ごすことが多く、内向的な人がかかりやすいといわれています。

■周りが理解ある対応を

 こうした症状をもつ人が増えている背景について、あきる台病院の井村進一院長は、「テレビゲームやパソコンの普及で、日常生活のなかにバーチャルリアリティに接する機会が増え、架空につくられた自分の世界に入りこみやすい状況がある」と指摘しています。

 そう考えれば、ストレスの多い生活を送る現代人の誰もが、この病気にかかる心配があると考えられます。

 空笑する人がすべて精神分裂病であるとは限りません。つまり、精神分裂病は、ひとつの症状から確定されることはありえません。いくつかの症状が重なって診断される場合や、他の症状とあわせて考えると、違う病気の場合もあります。

 しかし、家族や身近な人とのコミュニケーションが難しい場合は、専門医をたずねましょう。「空笑」の場合、本人よりも周りの人が先に気づく場合が多いため、身近な人が理解ある対応をすることが大切です。病院へ行くときは、本人を不安にさせないように、精神科や神経科ではなく、心療内科への受診をすすめるのもいいでしょう。また、最近増えている自己啓発セミナーのような施設もありますが、分裂病やうつ病の患者に、励ますのは逆効果です。「がんばれ」という励ましが、気持ちの負担になり、自殺に及ぶ場合もあります。

 空笑がきっかけでわかる分裂病は、慢性のものは別として、急性の場合が多く、薬物治療によってかなり改善するといわれています。

 空笑は、本人にとってわかりづらいもの。周りの人は気味悪がらず、理解ある対応で、回復の手助けをしましょう。

---2001.5.5 (c) 2001 by Mica Okamoto ---

 

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