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[No.075: 抜け毛にさよならしたい!]


 抜け毛が多いと気になるもの。薄くなり出すと、いろいろな育毛剤を使ってみたくなります。国内で脱毛に悩む人は、1000万〜1500万人といわれています。今回は脱毛について取り上げてみます。

■脱毛のメカニズム

 毛髪は人によって個人差がありますが、約10万本あり、1ヶ月で約1cm伸びるとされています。1本の毛は2〜6年の成長期、2〜3週間の退行期、次いで3〜4ヶ月の休止期に入り、新しい毛に抜け替わります。これをヘアサイクル(毛周期)といいます。

 脱毛は毛髪の本数が少ないことが原因と思われがちですが、最新の研究では本数よりも太さのほうが重要だといわれています。毛髪全体に占める成長期の毛の割合が少なくなり、成長が不十分な細い毛髪が増え、太くなる前に抜け落ちてしまうという説−つまり薄毛症が脱毛に大きく関与しているのです。

 年齢とともに髪の毛が薄くなってくる「男性型(壮年型)脱毛」では、ヘアサイクルを繰り返しながら新しく生えてくる髪の毛が、だんだんと短く細くなってきます。このような縮小再生産を何度も繰り返すうちに、やがて髪の毛がうぶ毛のようになってしまい、頭の頂点から薄くなるO型やおでこの生え際からM字型に後退していきます。

 日本人の成人男性の約3割が男性型脱毛に分類されるといわれていますが、遺伝的な要素が大きく、各個人の遺伝プログラムによる正常な経過といえます。

 薄毛症に深く関係しているのが男性ホルモンのテストステロンです。テストステロンが増えると、毛髪をつくる毛母細胞にエネルギーを供給する毛乳頭で、あるタンパク質が増加し、毛が成長をやめて退行期に移ってしまうのです。

 さらに2つの遺伝子が働き、毛母細胞の細胞死を引き起こす酵素を増やしていることが最近解明されました。脱毛はタンパク質が複雑に絡み合って起きる現象で、1つの要因を抑えるだけでは、脱毛は止められないといわれています。

■毛髪のための栄養

 髪の毛の主成分は、硫黄分を多く含む含硫アミンと呼ばれるタンパク質です。栄養のバランスを考えながら、このアミノ酸を多く含む肉や魚、卵などの動物性タンパク質をとるようにしましょう。

 さらに、ビタミンB2、B6、ビオチンといったビタミンB群、ほかにイノシトールやビタミンE、ミネラルでは亜鉛が髪の毛の健康には欠かせない栄養素です。

 ビタミンB 群は髪の毛の主成分である硫黄と結合することで、髪の毛の新陳代謝を促進する働きがあります。ビタミンB2は毛根の細胞を活性化し、ビタミンB6は髪の毛の発育を促します。ビオチンは、糖質や脂質、タンパク質の代謝を助け、細胞の増殖を助ける働きをしていますが、不足すると脱毛症状が現れることから、髪の毛には欠かせないビタミンといえます。

 ビタミンEは、抗酸化作用で過酸化脂質の生成を防ぎ、毛包周辺の血行をよくして毛根を強くしたり、髪の毛の老化を防いだりします。

 亜鉛は、細胞や組織の新陳代謝を活性化させる働きがあり、髪の毛の老化を防いだり、健康を保つ効果を発揮します。

 これらの栄養をとるとともに、栄養が十分にいきわたるように、頭皮を圧迫しないことも大切です。

■さまざまな育毛剤の開発

 99年に日本で発売された「リアップ」は爆発的にヒットしました。主成分のミノキシジルは、米国で高血圧治療剤として利用されていましたが、患者の体毛が濃くなる副作用から発毛作用がわかり製品化されました。ただし、薄毛になっている場所によっては、効き方に差があり、効果があるまで、最低6ヶ月の使用は必要になってきます。

 脱毛のメカニズムの解明から、さまざまなアプローチから育毛剤や脱毛予防剤などの研究が続けられています。

 テストステロンの働きを抑えることにポイントをおいたもの、遺伝子やタンパク質の流れを中断させて脱毛を防止するもの、また、皮膚にシミをつくるエンドセリンというタンパク質が抜け毛の原因になることから、それを利用して薄毛を食い止めるものなど、さまざまな製品が研究開発されています。

 さらに画期的な製品が開発されるのが待ち遠しい限りです。

---2001.8.18 (c) 2001 by Mica Okamoto ---

 

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